2008 Fiscal Year Annual Research Report
インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼの悪性グリオーマ免疫回避機構への影響
Project/Area Number |
20591709
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
佐藤 英治 University of Yamanashi, 医学部附属病院, 講師 (10235319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川瀧 智之 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (20303406)
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Keywords | インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ / 悪性グリオーマ / western blot法 / RT-PCR法 / 免疫組織染色法 / 免疫抑制作用 |
Research Abstract |
インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)は、トリプトファンから強い免疫抑制作用を持つキヌレニンへ変換させる代謝酵素である。このIDOの作用を阻害することは、腫瘍の免疫回避能を減弱させ、結果として腫瘍増殖を抑制する可能性がある。現在までのところ悪性グリオーマにおけるIDOの発現を検討した報告はない。平成20年度は、悪性グリオーマ組織、細胞におけるIDOの発現を検討した。4種の悪性グリオーマ細胞(A172, KG1C, T98G, U251)を用い、mRNAの発現をRT-PCR法,蛋白の発現をwestern blot法に検討した。悪性グリオーマ組織(diffuse astrocytoma 10種、anaplastic astrocytoma 10種、glioblastoma 10種)におけるIDOの発現を免疫組織染色法にて検討した。IDOのmRNAの発現は、T98G細胞のみに認められ、他の3種では発現が見られなかった。悪性グリオーマ細胞中のIDO蛋白の発現は、同様にT98Gのみに認められた。悪性グリオーマ手術摘出組織中のIDOの発現は、diffuse astrocytomaでは、8例が陰性で、anaplastic astrocytomaでは、2例が陰性で、8例が弱陽性であった。Glioblastomaでは、陰性例は無く、ほとんどが強陽性であった。現在、検討中であるが、IDOの発現は組織学的悪性度と相関関係がある可能性が示唆された。
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