2010 Fiscal Year Annual Research Report
悪性グリオーマにおけるWntシグナル活性化の検討と診断・治療への応用
Project/Area Number |
20591716
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
平野 宏文 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00264416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 昭世 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (50274064)
有田 和徳 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (90212646)
湯之上 俊二 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20404478)
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Keywords | Wnt-5a / Frizzled / astrocytic tumor / migration / matrix metalloprotease-2 / RNAi |
Research Abstract |
細胞の増殖/発癌に関するシグナル伝達と細胞の運動(浸潤)に関係するシグナル伝達が互いに関連するWntについて,以下の項目を検討した 1.mRNAレベルとタンパクレベルでWnt,Frizzled発現の解析を行い,中心的シグナル物質を特定した 2.組織学的免疫染色を中心に腫瘍の悪性度とWnt発現の関係を解析し,その関係を明らかにした 3.astrocytic tumorにおいてWntシグナルがどのように作用しているかを調べるため,増殖能,細胞移動能などについて検討した.具体的にWntタンパクの過剰な環境や,Wntの活性をブロックした場合の増殖や腫瘍細胞浸潤への影響を検討した 結果 1.グリオーマ培養株では,Wnt-5a,Frizzled-6の発現が複数の腫瘍株に共通して特に高かった 2.悪性グリオーマ腫瘍組織(手術標本)においてWnt-5aの発現が強く認められ,その発現レベルは免疫染色上も悪性度と相関しており,グリオブラストーマで高くなっていた 3.Wnt-5aをRNAiで抑制すると,腫瘍細胞移動能が低下し,細胞増殖能も低下した.またWnt-5aを添加すると,細胞移動能とmatrix metalloprotease-2の活性が上昇した 結論 悪性astrocytic tumorにおいて,Wnt-5a,Frizzled-6のシグナル伝達が推測され,Wnt-5aの発現が,腫瘍細胞増殖能,細胞浸潤能(細胞移動と組織matrix分解)に関係していることが確認された
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[Journal Article] Wnt-5a signaling is correlated with infiltrative activity in human glioma by inducing cellular migration and MMP-22011
Author(s)
Masayuki Kamino, Michiko Kishida, Toshiro Kibe, Kyoko Ikoma, Mikio Iijima, Hirofumi Hirano, Mai Tokudome, Lin Chen, Chihaya Koriyama, Katsushi Yamada, Kazunori Arita, Shosei Kishida
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Journal Title
Cancer Science
Volume: 102
Pages: 540-548
Peer Reviewed
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[Presentation] Wnt-5a signaling is correlated with cellular motility and MMP-2 in human glioma cells2010
Author(s)
神野真幸, 岸田想子, 岐部俊郎, 生駒今日子, 飯島幹雄, 平野宏文, 徳留舞, 陳琳, 郡山千早, 武田泰生, 山田勝士, 有田和徳, 岸田昭世
Organizer
第33回日本分子生物学会
Place of Presentation
兵庫
Year and Date
2010-12-08