2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換え骨髄幹細胞の静脈内移植による脊髓損傷治療の基礎的研究
Project/Area Number |
20591717
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
野中 雅 Sapporo Medical University, 医学部, 研究員 (60180759)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寳金 清博 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90229146)
|
Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 神経科学 / 脳・神経 / 発生・分化 |
Research Abstract |
本計画は、脊髄損傷の急性期から慢性期に対する、骨髄幹細胞の静脈内投与による治療効果を検証することを主目的とするものである。 昨年度は、脊髄損傷モデルとして、NYUインパクターを用いて、胸髄(Th10レベル)に直接損傷を加えるモデルを確立した。また、行動学的解析と組織額的解析を加え、細胞移植治療の対照群としてのデータを蓄積した。 本年度は、これらのデータを基に、脊髄損傷モデルラットに対して、骨髄幹細胞の静脈内投与の治療効果の検討を進めた。すなわち、(1)脊髄損傷の急性期に大腿静脈より1,000,000個の骨髄幹細胞を投与し、投与時期の検討を行った。(2)損傷を起こした脊髄局所の組織学的解析を行った。(3)損傷局所における神経栄養因子の発現解析を解析した。(4)骨髄幹細胞への神経栄養因子の遺伝子導入と治療効果判定に着手した。 上記の解析を行った結果、細胞投与時期は脊髄損傷後、可及的早期に投与する方がより治療効果が高いことが判明したが、一ヶ月以上経過した時期であっても治療効果は見込まれることが判明した。また、細胞治療によって損傷部位のBDNF濃度が高まることが判明したことより、急性期の治療メカニズムに神経保護作用が強く関与することが示唆された。今後、これらのデータを集計し、論文発表する予定である。 以上のように、補助金は補助条件に従って、非常に有効に使用されている。
|
Research Products
(2 results)