2008 Fiscal Year Annual Research Report
血中分子マーカー定量による悪性グリオーマの抗腫瘍剤感受性のモニタリング
Project/Area Number |
20591719
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
安達 淳一 Saitama Medical University, 医学部, 講師 (70291143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 亮 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90237678)
松谷 雅生 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90010454)
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Keywords | MGMT / グリオーマ / テモゾロミド / メチル化 |
Research Abstract |
悪性グリオーマにおいてテモゾロミド投与の効果が期待できる重要なファクターとしてMGMT(O_6-methylguanine-DNA methyltransferase)遺伝子プロモーターのメチル化の程度が重要とされている。メチル化の検出に一般に用いられるメチル化特異的PCR法ではメチル化の定量的評価はできないが、我々は以下に述べる方法でMGT遺伝子メチル化の定量法を確立した。抽出した腫瘍DNAをbisulfite処理する。これにより、非メチル化シトシンはウラシルへ変換(変異型)されるが、メチル化シトシンは変換されない(野生型)。その後、飽和型インターカレート色素の存在下で目的のMGMT遺伝子プロモーター領域をPCRで増幅する。この色素は2本鎖DNAに特異的に結合し、励起されることで蛍光を発生する。増幅後、高解像度融解曲線の分析を行う。変異型ではより低い温度で融解が始まり、蛍光が減弱する。融解曲線の波形の解析で非メチル化とメチル化のバリアントの比率が決定できる。PCR開始から融解曲線が得られるまでに要する時間は約1時間30分である。本実験で得られる融解曲線には変異型、野生型由来の2つのピークが見られる。既知の非メチル化とメチル化テンプレートを混合したスタンダードの融解曲線データとの相似性から、末知サンプルDNAのMGMTメチル化レベルを評価できる。飽和型色素を用いる本法は温度正確性、再現性が高く、かつ短時間で解析が完了する点で有用である。また、血清中の腫瘍由来の微量DNAでもMGMT遺伝子のメチル化の定量が可能であった。以上の成果によって、本研究の根幹である遺伝子メチル化の定量的解析法を得ることができた。
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Research Products
(1 results)