2010 Fiscal Year Annual Research Report
血中分子マーカー定量による悪性グリオーマの抗腫瘍剤感受性のモニタリング
Project/Area Number |
20591719
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
安達 淳一 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70291143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 亮 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90237678)
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Keywords | MGMT / グリオーマ / テモゾロミド / メチル化 |
Research Abstract |
悪性グリオーマにおいて、第二世代のアルキル化剤であるテモゾロミド投与の効果が期待できる重要なファクターとしてMGMT(o^6-methylguanine-DNA methyltransferase)遺伝子プロモーターのメチル化の程度が重要である。しかしながら、小児グリオーマで本遺伝子メチル化についての報告は極めて少ない。そこで、当科で治療した小児脳腫瘍で、low-grade glioma(LGG, WHO grade2以下)6例、high-grade glioma(HGG, WHO grade3以上)8例を対象として、摘出腫瘍からDNAを抽出し、メチル化感受性高解像能融解曲線分析法にてMGMT遺伝子メチル化の評価を行った。結果であるが、LGG6例中1例、HGG8例中1例にMGMT遺伝子メチル化がみられた。この1例のHGGに対しては術後テモゾロミド投与を行い残存腫瘍の縮小が観察された。 小児グリオーマのMGMT遺伝子メチル化の割合は成人グリオーマより明らかに低値であり、このことが小児グリオーマに対するテモゾロミド感受性が低い理由の1つである可能性が考えられた。一方、MGMT遺伝子メチル化陽性グリオーマではテモゾロミドが奏功した例もみられた。テモゾロミドは注射剤も発売され、小児グリオーマでも確実な投与が期待でき、症例によってはテモゾロミド治療が選択枝の1つとなりうる可能性も考えられた。
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