2009 Fiscal Year Annual Research Report
Radiosurgeryが脳血管内皮細胞および脳循環に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
20591720
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
栗田 浩樹 Kyorin University, 医学部, 講師 (70262003)
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Keywords | radiosurgery / 血管内皮細胞 / PKC / GFAP / 脳動静脈奇形 / 脳血流 / 放射線障害 / 血管構築 |
Research Abstract |
平成21年度は、平成20年度に作成したradiosurgery後のラット脳動静脈奇形モデルを照射照射1,3,6,12ヶ月後に頭蓋骨を除去して脳血流量を測定し、後にsacrificeして灌流固定し、照射範囲内の血管構築の変化を、内皮細胞(CD34)、血管平滑筋(SMA)、内弾性板(EVG)、基底膜(Collagen IV)の各障害マーカーで免疫組織学的に検索して障害部位を同定した。また、protein kinase C (PKC)およびvascular endotherial growth factor (VEGF)の発現をin situで免疫組織学的に定量化し、血管新生の程度を把握する事ができた。また12ヶ月後の脳組織において、照射範囲内の慢性期の血管構築の変化(内皮細胞;CD34、血管平滑筋;SMA、内弾性板;EVG、基底膜;Collagen IV)を免疫組織学的に検討すると、内皮細胞の増勢、tight gap junctionの破綻、内弾性板の破壊、基底膜の断片化などが観察され、血管内腔の狭小化は主に内皮下組織の増殖性変化による事も明らかにできた。本研究で現在までに、一回大量照射によるvasculopathyの機序が一部解明され、血管が閉塞するまでの形態学的変化およびその分子機構の一端が明らかになりつつある。また、その形態学的変化の過程で、PKCおよびVEGFの発現が血管内皮細胞で認められ、放射線による血管内皮障害の結果、2次的な血管新生が惹起され、これが内皮下組織の増殖を促してういる可能性が示唆された。近年脳神経外科領域で治療件数が飛躍的に増加したRadiosurgery後に病変周囲に高頻度に脳浮腫を生じ、時に重篤化する事が臨床上問題となっているが、本知見はその機序を解明する上で非常に重要と思われる。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
栗田浩樹、塩川芳昭
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Journal Title
VI疾患別各論7.脳動静脈奇形.神経疾患最新の治療2009-2011(南江堂)
Pages: 100-102
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