2010 Fiscal Year Annual Research Report
Radiosurgeryが脳血管内皮細胞および脳循環に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
20591720
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
栗田 浩樹 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (70262003)
|
Keywords | radiosurgery / 血管内皮細胞 / PKC / GFAP / 脳動静脈奇形 / 脳血流 / 放射線障害 / 血管構築 |
Research Abstract |
近年脳神経外科領域で治療件数が飛躍的に増加した定位的手法を用いて病変に限局した一回大量照射(Radiosurgery)後に病変周囲に高頻度に脳浮腫を生じる事が臨床上問題となっているが、一回大量照射が血管内皮に与える影響に関する基礎的dataは極めて少ない。本研究では、ラットの頚動静脈吻合による脳動静脈奇形モデルを作成してradiosurgeryを行い、血管が閉塞するまでの形態学的変化およびその分子機構の一端を明らかにした。具体的には血管内皮細胞においてprotein kinase C(PKC)活性の亢進によるサイトカインの産生増加、特に血管透過性亢進作用を有するvascular endothelial growth factor(VEGF)の有意な増加が確認され、それが照射線量や血管閉塞と有意に創刊する事が明らかになった。また電子顕微鏡的観察で放射線による内皮細胞のtight gap junctionの破綻を証明した。また、照射範囲内の血管構築の変化を、内皮細胞(CD34)、血管平滑筋(SMA)、内弾性板(EVG)、基底膜(Collagen IV)の各障害マーカーで免疫組織学に検索し、内皮細胞障害の後、血管変性が内弾性板、基底膜に及び、おもに内皮下組織の増殖を惹起させる事により、血管内腔の狭窄や閉塞を生じる事も明らかとなった。本研究により各線量における血管内皮障害の程度と血管閉塞や脳循環障害との関連が明らかにされた事により、そのpathwayを種々の方法で増強したりblockしたりする事により、治療効果を高めたり放射線障害を低く抑えうる可能性があり、より安全で効果的なradiosurgeryの臨床応用に貢献する事が可能である。
|
Research Products
(5 results)