2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経膠腫における分子生物学的分類の構築と、個別化治療の確立
Project/Area Number |
20591721
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐々木 光 Keio University, 医学部, 助教 (70245512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 雄一 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (60218849)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 脳・神経 / glioma / lp |
Research Abstract |
1 1p/19q欠失をもつ神経膠腫に対するneoadjuvant chemotherapy(術前化学療法による腫瘍縮小後、治癒切除)あるいは2期的治療戦略(まず可及的摘出にて腫瘍の1p/19q欠失を確認後、化学療法で腫瘍縮小させた後の再切除あるいは放射線治療)の確立:当施設では2期的治療を念頭に置き、1p/19q欠失をもつ神経膠腫初発例は、全て化学療法先行で治療を行っている。現時点で17例が同方針で治療されており、うち2例で化学療法による腫瘍縮小後の摘出が行われ、1例で縮小後の放射線照射が行われた。再発が2例あるが、いずれも腫瘍縮小時の手術に対し了解が得られなかった症例で、再発部位は摘出予定範囲内であった。すなわち、本治療戦略の有用性が確認されつつある。 2 1p/19q欠失を伴う星細胞系腫瘍の治療感受性、生命予後の確認:星細胞系腫瘍におけるlp/19q欠失の意義はまだ明らかでない。我々が今までに解析してきた230例以上の解析結果と、現在の治療方針(1p/19q欠失をもつ神経膠腫初発例は全て化学療法先行で治療)から、この点を明らかにする。 3 1p/19q欠失をもつ神経膠腫における次の予後予測因子の検討:1p/19q欠失をもつ乏突起膠細胞系腫瘍は治療感受性が高いが、早期に再発するものも存在する。1p,19qの次の予後因子を検索する。 2、3に関し、当院で治療が行われた1p/19q欠失をもつ神経膠腫(oligo系28例、astro系22例)のCGH解析は終了し、現時点で、1p/19q欠失をもつ腫瘍の中ではoligoとastro系でPFSに差がない、などのデータが得られている。
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Research Products
(10 results)