2010 Fiscal Year Annual Research Report
てんかんによって惹起される海馬神経細胞新生は、てんかん原生となるか
Project/Area Number |
20591722
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
中島 円 順天堂大学, 医学部, 助教 (50317450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 秀宣 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90265992)
西村 欣也 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80164581)
新井 一 順天堂大学, 医学部, 教授 (70167229)
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Keywords | 海馬 / 神経細胞新生 / てんかん / ホールセルパッチクランプ |
Research Abstract |
【研究目的】神経細胞新生は、虚血やてんかん発作などの刺激で誘発され、侵襲による神経細胞壊死やアポートシスなどの神経細胞の減少を補うと考えられている。しかしながら一方では、海馬のてんかん原性獲得に神経細胞新生が原因をなしているともいわれ、新生による神経細胞のターンオーバーの機構や意義については未だ不明な点が多い。我々は、ピロカルピンによるてんかん発作を誘発させた動物モデルを用いて、てんかんによって惹起される海馬新生神経細胞の経時的変化を免疫染色およびPatch-clamp法による電気生理学的に検討し、海馬神経細胞新生のてんかん原生獲得への関与について研究した。 【方法】C57/BLマウスをピロカルピン腹注によるてんかん発作誘発24時間後に、レトロウィルスによりgreen fluorescent protein(GFP)を海馬にinjectionし感染させ、てんかんによって誘発された新生細胞をGFPによりマーキングした。てんかん重積後7日(1週)、14日(2週)、28日(4週)に海馬をスライスし免疫染色を行い、正常神経細胞への成熟度(NeuNの染色性)、apoptosisの割合(ssDNAの染色性)について検討した。GFPでマーキングされた細胞に対し、Patch-clamp法により新生された神経細胞の発火パターンを直接記録し細胞興奮性を検討した。 【観察結果】てんかん発作により新生細胞はsubgranule zoneに数多く惹起されるが形態も小さく脆弱であり、惹起されるほとんどの未熟なGFP陽性細胞は成熟過程に入ることなく発作後1週~4週の期間内に消退した。早期に消失がみられるGFP陽性細胞の免疫染色結果はssDNAにnegative、NeuN negativeであった。また神経生理学的には、発作後1-2週のGFP陽性細胞はinput resistances(IR)1.2GΩ-2.0GΩ、resting membrane potential(RMP)は-55mV~-70mV。発作後4週のGFP陽性細胞ではIR300MΩ-1000MΩ、RMP-70~-80mVであった。てんかんによって惹起された新生神経細胞は未熟な細胞であるほど膜抵抗性が高く、発火頻度が少なく、成熟度とともに徐々に発火頻度が多い傾向を示した。
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Research Products
(3 results)