2009 Fiscal Year Annual Research Report
下垂体腺腫の増殖におけるSDF-1の役割に関する分子形態学的研究
Project/Area Number |
20591726
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
吉田 大蔵 Nippon Medical School, 医学部, 准教授 (30210701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 明 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50133070)
金 景成 日本医科大学, 医学部, 助教 (30339387)
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Keywords | 下垂体腺腫 / SDF-1 / 細胞浸潤 / 血管新生 / CXCR7 / tissue microarray / cDNA microarray / siRNA |
Research Abstract |
<諸言>micro-RNA(miRNA)とは、細胞内に存在する長さ20から25塩基ほどの1本鎖RNAをいい、non-coding RNA(ncRNA)の一種である。最近様々な遺伝子発現の調節機能について報告があるが、下垂体腺腫におけるホルモン関連遺伝子に関しては未だ少ない。今回我々は下垂体腺腫細胞におけるGHとPRL発現に関与するmiRNAのsignal cascadeを検討したので報告する。 <方法>下垂体腺腫細胞GH3とrat normal pituitary cell(RPC)のmRNAとmiRNAの発現プロファイリングをcDNA microarrayで解析し、有意に負の相関のあるものの中から、GH,PRL産生に関与する遺伝子を選択した。それらのmiRNAの3'側非翻訳領域に相補的な塩基配列を構築してGH3細胞のmiRNAをノックダウンし、GH、PRL分泌変化をELISAで定量し、同時にシグナル下流域をcDNA microarrayで解析した。 <結果>RPCよりもGH3で過剰発現していたmiRNAのうち、GH産生に関して相補的なmRNAと一致したものはなく、むしろrno-miR-494と-146aが発現低下をしてmRNAと負の相関をしていた。PRLに関しては、rno-miR-101bと-191,-194の発現過剰がみられた。PRL産生はrno-miR-101bのノックダウンしたGH3細胞にのみにPRL分泌が有意に増加した。cDNA microarrayでもPRL産生に関するシグナルは有意にup-regulateしていた。 <結論>GH3ではRPCに比して種々のmiRNAの発現変化がみられるが、このうちrno-miR-101bはPRL発現を抑制する機能を有していると思われた点で新しい展開が期待できると思われた。
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