2010 Fiscal Year Annual Research Report
中性子捕捉療法及び光線力学的治療双方に利用可能な新規硼素化ポルフィリンの有用性
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20591728
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| Research Institution | Osaka Medical College |
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Principal Investigator |
川端 信司 大阪医科大学, 医学部, 助教 (20340549)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野々口 直助 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70388263)
山田 佳孝 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00368101)
池田 直廉 大阪医科大学, 医学部, 助教 (50434775)
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| Keywords | 脳腫瘍 / 粒子線治療 / ポルフィリン / 中性子捕捉療法 / 神経膠腫 / 光線力学療法 / Convection enhanced delivery |
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| Research Abstract |
硼素中性子捕捉療法(BNCT)用の新規硼素化合物として硼素化ポルフィリンを用い、治療効果、安全性に関し詳細に検討を加え、光線力学的治療(PDT)・診断(PDD)の有用性に関し検討を加えた。検討には、悪性神経膠腫細胞(F98、U87)、ラット脳腫瘍モデル等を用いて行った。F98ラット脳腫瘍モデルにCEDを用いて新規硼素化ポルフィリンを投薬し、脳腫瘍および周囲脳・他臓器の硼素濃度をICPにより測定したところ、正常周囲脳に対し30倍の硼素集積を認めている。昨年度、このモデルに対しレーザー光照射によりPDDおよびPDTによる治療効果・有用性を検討したところ、良好な視認性および有意な生存期間延長効果を認めた。本年度は特に、H2OCPによるホウ素の高集積およびPDT・による治療効果を示した。またH2TCPを用いた中性子照射実験での有意な生存期間延長効果に関し考察し、.報告を行った。計画当初に有望と考えたTFCCに関しては、細胞および動物実験における非常に高い腫瘍集積から治療効果を期待したが、硼素濃度から概算した生存期間の十分な延長効果を示すことは出来なかった。本研究を通じて、ポルフィリン化合物では(初回)手術時にPDD用途として術前投与し、術中照射としてPDTを行い、その際の摘出腫瘍の濃度を個々の患者で実測し、後療法としてBNCTを行う際にこの実測値を適応判断・線量評価に使用できるといった利点が考えられた。しかしながら、実験でも示したように、ホウ素化合物の高集積はそのまま中性子捕捉療法での線量付与には結びつかず、臨床応用に当たっては基礎研究を積み重ね、各々の薬剤および投薬経路によるCBEファクターの算出が必要であると考えられた。ホウ素化ポルフィリンは、視認性に富み、腫瘍に高集積を示すことから、PDTおよびBNCT双方での治療効果を大いに期待できる。
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