2010 Fiscal Year Annual Research Report
5-ALAと自家蛍光の二重蛍光スペクトル解析による高精度脳腫瘍同定方法の開発
Project/Area Number |
20591729
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
黒岩 敏彦 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30178115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶本 宜永 大阪医科大学, 医学部, 講師 (30224413)
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Keywords | 光線力学診断 / 脳腫瘍 / グリオーマ / スペクトル解析 / 5-アミノレブリン酸 |
Research Abstract |
【本研究の内容と意義と重要性】5-ALAによる蛍光ガイドでは、腫瘍由来のポルフィリン蛍光により腫瘍の局在が判定できる。しかし、その判定が肉眼による主観的なものであるために、診断精度に限界があった。本研究では、蛍光診断の精度を著しく高めるために、定量的な蛍光スペクトル解析の開発を行った。これにより臨床データと蛍光強度との定量的な対比が世界で初めて可能となった。また、この方法では、自家蛍光領域の評価も同時に可能である。 【測定方法と結果】分光輝度計を用いて、腫瘍などの組織の蛍光輝度をスペクトル別に測定した。まず、装置に3mm径の測定領域に測定組織をセットし、励起光(波長405nm、照度10mW/cm^2)を45度の角度で照射する。その際の蛍光を400-780nmの範囲にわたり分光輝度(ラジアンス)をW/(sr*sqm*nm)の単位のある計測値として測定した。 初発および再発の神経膠芽腫15症例から得た43サンプルを対象にした。腫瘍を単位励起光量(10mW)あたりの分光蛍光輝度をRadiance(mW/(sr*sqm*nm))として測定し、術中での組織の肉眼的蛍光強度と比較した。また、20サンプルにおいてCPOXと蛍光輝度との関連も調べた。強蛍光は、2.51±1.52、弱蛍光が0.49±0.37、無蛍光が0.1±0.07に相当した。強蛍光と弱蛍光との間のカットオフ値のRadiance(mW/(sr*sqm*nm))は、は、1で、弱蛍光と無傾向との間のカットオフ値は、0.1であった。また、蛍光輝度とCPOXのmRNA量との間には、強い相関関係(R^2=0.74)を認めた。
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Research Products
(4 results)