2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591730
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Research Institution | Miyagi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
山下 洋二 Miyagi Cancer Center Research Institute, 生化学部, 特任研究員 (30420045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 昌幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (20220577)
園田 順彦 東北大学, 病院, 講師 (90302140)
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Keywords | 脳腫瘍学 / 化学療法 |
Research Abstract |
高分子ミセルに内包する薬剤候補として、ドキソルビシンに加えて現在悪性神経膠腫治療の中心となっているアルキル化剤であるACNU、BCNUおよびテモゾロミドに注目し、高分子ミセルへの封入を試みた。しかしながらACNUは封入効率が悪く、完成度の高い高分子ミセル抗癌剤の調製に至らなかった。後2者については水溶性が強いため、高分子ミセルへの封入が困難であった(高分子ミセルに内包する薬剤は難水溶性が適している)。従って本年度はレチノイン酸分化誘導作用に注目し、合成レチノイン酸であるAm80を封入した高分子ミセルを用い研究を行った。方法:抗腫瘍効果をu87MG細胞株およびラットu87MG脳腫瘍モデル用いて解析した。前者についてはAm80投与による細胞死および形態変化を観察し、悪性神経膠腫治療のスタンダードとされているテモゾロミドの効果に及ぼす影響を解析した。さらにはWestern blot法を用いてGFAP、p-Akt,p-MAPK等悪性神経膠腫関連タンパクの発現変化を解析した。後者については生存試験を行った(テモゾロミド治療群、 CED法を用いたAm80高分子ミセルによる治療群、両者の併用群を比較した)。CED法による治療はreflux-free infusion cannulaを用いた注入システムにより施行した。Kaplan-Meiyer曲線を作成、log-rank検定を行い、治療効果を比較検討した。結果:Am80高分子ミセルの抗腫瘍効果がu87MG細胞株およびラットu87MG脳腫瘍モデルの両者において示され、テモゾロミドとの相乗効果が明らかとなった。
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