2010 Fiscal Year Annual Research Report
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20591730
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Research Institution | Miyagi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
山下 洋二 宮城県立がんセンター(研究所), 生化学部, 特任研究員 (30420045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 昌幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (20220577)
園田 順彦 東北大学, 病院, 講師 (90302140)
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Keywords | 脳腫瘍学 / 化学療法 |
Research Abstract |
高分子ミセルに内包する薬剤候補として、現在悪性神経膠腫治療の中心となっているアルキル化剤であるACNU、BCNUおよびテモゾロミドに注目し、高分子ミセルへの封入を試みた。しかしながら薬剤の封入効率が悪く、完成度の高い高分子ミセル抗癌剤の調製に至らなかった。そこで昨年度より高分子ミセル抗癌剤に応用可能な悪性神経膠腫治療の新たな分子標的を同定する目的で、神経膠腫の手術摘出検体におけるプロテインホスファターゼファミリーに属する遺伝子の発現異常の有無をリアルタイムPCRの手法を用いてスクリーニングし、その中で発現量が顕著に上昇しているものの一つとして、細胞周期を司るCDC25Aを同定した。加えて、発現が顕著に下がっているものとしてDUSP26を同定した。前者のCDC25Aに関しては、発現量と細胞増殖の指標であるKi-67ラベリングインデックスの間には強い相関関係が認められた。CDC25A発現量の上昇は神経膠腫由来の各種樹立細胞株においても認められ、CDC25A阻害剤とsiRNA処理による影響を解析した。それぞれの処理により、両細胞株において細胞増殖の阻害と細胞死の誘導が認められ、CDC25Aが悪性神経膠腫治療の新たな分子標的であることが示唆された。後者のDUSP26に関しては、酵母2ハイブリッドスクリーニングにて、DUSP26の結合タンパクとしてKIF3Aが得られ、DUSP26が神経膠種細胞の悪性度のマーカー、さらには治療の標的となることが考えられた。KIF3Aは、KIF3BとKAP3と共に3量体を作り、微小管において様々なcargoを運搬する作用をモータータンパクであることが知られていたので、DUSP26のKIF3モーターへの影響を調べ、(1)DUSP26は、KAP3を特異的に脱リン酸化する。(2)DUSP26はホスファターゼ活性依存的に細胞の接着を強める。(3)DUSP26は、ボスファターゼ活性依存的にN-cadherinやβ-cateninの膜への輸送を増強することを明らかとした。
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Research Products
(6 results)