2008 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷におけるbFGF徐放ゼラチンゲルと骨髄間質細胞由来シュワン細胞移植の効果
Project/Area Number |
20591736
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大河 昭彦 Chiba University, 医学部附属病院, 講師 (30312945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 淳 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (20344997)
山崎 正志 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (50281712)
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Keywords | 脊髄損傷 / bFGF / 骨髄間質細胞 / BBBscore / シュワン細胞 / ゼラチンゲル / ラット / 徐放 |
Research Abstract |
今回われわれはラット脊髄圧挫損傷モデルにおけるbFGF徐放ゼラチンハイドロゲルを併用した骨髄間質細胞由来神経前駆細胞(以下BMSC-N)移植の治療効果を検討したので報告する。【方法】8適齢雌性Wisterラットの第9-10胸椎を椎弓切除後、IHlmpactor(200Kdyn)を用いて脊髄圧挫損傷モデルを作成した。損傷から1週後、bFGF2μgを含んだゼラチンハイドロゲル0.4mgとともにBMSC-Nを損傷中心部に、3.0×105個移植した。対照として細胞移植を併用しないbFGF+ゼラチンハイドロゲル投与群と生食のみ注入群を作成し比較した。運動・知覚機能を損傷から9週間測定した。9週時点で両皮質脊髄路のトレーシングを行い、損傷11週後に灌流固定を行い組織学的に検討した。【結果】行動学的評価では運動・知覚とも生食群に比較し統計学的な有意差は得られたが、細胞移植とゲル投与における有意差は得られなかった。【考察・結論】移植細胞の3次元的配列構造維持のためゼラチンハイドロゲルを基質として利用した。また、移植細胞の生着能及び増殖能を高める目的でゲル内にbFGFを注入した。行動学的には2群間で差は認められなかったが、生食群に比較して有意な行動回復が得られた。今回は細胞・栄養因子・スカフオールドを同時に移植(投与)したが、臨床的に意義のある改善を得るためには、BMSC-N、bFGF、ゼラチンハイドロゲルそれぞれの至適移植(投与)時期を検討しなければならないと思われた。
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