2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞シート工学を応用した前十字靱帯損傷の修復、再生に関する研究
Project/Area Number |
20591747
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
三谷 玄弥 Tokai University, 医学部, 講師 (80307280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正人 東海大学, 医学部, 准教授 (10056335)
沓名 寿治 東海大学, 医学部, 助教 (90328120)
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Keywords | 細胞シート / 再生医療 / ACL / 前十字靱帯 |
Research Abstract |
ACL損傷膝を放置すると半月板、軟骨の損傷が続発し最終的に外傷性膝関節症に至る。通常治療には自家腱を用いたACL再建手術が行われるが、ドナーサイトの疼痛、筋力低下、再々建時のドナー選択など解決すべき問題も多い。よってドナー採取を要しない再生医療のACL不全膝治療への応用が望まれる。本研究の目的はACL不全膝における細胞シート工学を応用した治療の可能性を検討することである。ACL再建術の際、郭清された損傷ACLを患者本人の承諾を得て採取し、酵素的に単離した後に温度応答性培養皿上に播種した。2週間程度の培養によりコンフルエントとなった細胞は温度変化のみで、酵素的処理を行わずに、細胞シートとして回収することが確認された。下面にのみ接着性を持つ特性を利用し、上から直接重ね合わせることで積層化し3次元構造にすることが可能であった。また、ブタACL損傷モデル、及びLeeds-Keio人工靭帯に被覆し、1週間器官培養を行った積層化細胞シートは良好な接着性を呈していることが確認された。このことから、損傷ACLに被覆して修復機転を働かせる、または関節内に露出すると関節炎を惹起するため、近年使用が限定的となっているLeeds-keio人工靭帯に被覆して再建術に使用する、などの臨床応用の可能性が示唆された。次年度以降はACL細胞シート、および系代された細胞から作成されたACL細胞シートが靭帯としての細胞特性を保持しているか、免疫組織学的、Real Time PCRを用いて評価していく予定である。
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