2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞シート工学を応用した前十字靭帯損傷の修復、再生に関する研究
Project/Area Number |
20591747
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
三谷 玄弥 Tokai University, 医学部, 講師 (80307280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正人 東海大学, 医学部, 准教授 (10056335)
沓名 寿治 東海大学, 医学部, 助教 (90328120)
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Keywords | 細胞シート / 再生医療 / ACL / 前十字靭帯 |
Research Abstract |
ACL損傷膝を放置すると半月板、軟骨の損傷が続発し最終的に外傷性膝関節症に至る。通常治療には自家腱を用いたACL再建手術が行われるが、ドナーサイトの疼痛、筋力低下、再々建時のドナー選択など解決すべき問題も多い。よってドナー採取を要しない再生医療のACL不全膝治療への応用が望まれる。本研究の目的はACL不全膝における細胞シート工学を応用した治療の可能性を検討することである。初年度はACL再建術の際、郭清されたACL由来細胞から温度応答性培養皿を用いて細胞シートを作成し、その接着性を利用して3次元構造にすることに成功した。本年度は臨床応用時のcell sourceを鑑みて近年stem cellとしての機能が注目されている滑膜由来細胞からも温度応答性培養皿を用いて細胞シートを作成することを試み、成功した。また腱、靭帯固有に発現する糖タンパクであるTenomodulinが健常ヒトACLに発現し、損傷ACLの損傷部位では発現が弱いこと、ACL細胞シートと滑膜由来細胞シートにもTenomodulinが発現していることが、免疫組織学的染色およびReal Time PCRを用いた実験にて証明された。このことからACL細胞シートに加えて細胞成分を多量に含む滑膜由来細胞シートが靭帯の再生医療に使用し得る再生組織である可能性が示唆された。次年度はポリエステル、ポリ乳酸配合メッシュ素材とACL細胞シート、滑膜由来細胞シートとの適合性を組織学的に検討し、評価していく予定である。
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