2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591749
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 博隆 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 講師 (20345218)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門野 夕峰 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (70401065)
篠田 裕介 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (80456110)
小林 寛 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (20407951)
|
Keywords | 骨・軟部腫瘍学 |
Research Abstract |
本年度の研究予定は1:骨肉腫組織からの細胞株の樹立、2:細胞培養系における骨肉腫由来細胞の性ホルモン反応性の検討、3:骨肉腫症例における性ホルモン受容体発現と臨床像との相関の検討の3項目である。項目1については、当院倫理委員会の規定に従い、研究協力のインフォームドコンセントを得ることができた患者様の組織より骨肉腫細胞を分離し、3T3 methodを使用して細胞株を樹立中である。項目2についてはマウス骨肉腫由来の細胞株LM8ならびにヒト骨肉腫細胞株MG63およびSaOS2を用いて性ホルモン並びに性ホルモン関連物質に対する反応を検討した。性ホルモンとして17βエストラジオール、5αジヒドロテストステロンを使用し、性ホルモン関連物質として選択的エストロゲン受容体モジュレーターであるラロキシフェンを使用した。その結果、17βエストラジオールと5αジヒドロテストステロンは転移抑制能と化学療法剤の効果を増強する効果しか示さなかった。さらに、5αジヒドロテストステロンは腫瘍の局所侵入能を亢進させる可能性が示唆された。しかし、ラロキシフェンは転移抑制能並びに化学療法剤の増感効果に合わせて、腫瘍細胞の増殖ならびに局所侵入能も抑制した。以上のことから現段階においてラロキシフェンは、性ホルモンを標的とした骨肉腫治療薬の有望な候補の一つであるといえる。項目3についてはインフォームドコンセントが得られた患者様のデータをデータベース入力し、臨床情報を整備している状況である。データベースが完備し次第、解析に移る予定である。
|