2008 Fiscal Year Annual Research Report
ビスホスフォネートを用いた悪性骨軟部腫瘍に対する治療戦略
Project/Area Number |
20591764
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
村田 博昭 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学部, 講師(寄附講座) (90360031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 晋也 京都大学, 医学研究科, 助教 (80359794)
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Keywords | 悪性骨腫瘍 / 悪性軟部腫瘍 / ビスホスフォネート |
Research Abstract |
1.骨肉腫に対する第3世代ビスボスフォネート(BP)のin vivoにおける抗腫瘍効果および転移抑制効果の解明 マウス骨肉腫細胞の高肺転移株であるLM8細胞にLuciferase遺伝子を安定導入し(LM8^<Luc>)、マウスを犠牲にすることなく生体内での腫瘍動態を経時的に観察できるIVISを用いてBPの原発巣、肺転移巣の抗腫瘍効果を検討した。結果として原発巣だけでなく、肺からのLuciferase発光度数の低下を認め、BPによる原発巣、転移巣抑制効果を認めた。組織学的検討では治療群で壊死や石灰化を認め、血管内皮細胞数の減少を認めた。BPが腫瘍の転移成立過程における遊走、接着、浸潤を抑制することが明らかとなった。今後骨肉腫患者の予後を改善する新たな治療薬になりうると考えた。 2.悪性軟部腫瘍に対する第3世代BPの抗腫瘍効果の検討(in vitro) ヒト悪性線維肉腫細胞株(HT1080)、ヒト滑膜肉腫細胞株(SYO1)などに対するBPのin vitroにおける増殖抑制効果、細胞周期、Ras関連蛋白に関する発現解析を行った。結果として骨肉腫細胞同様、両細胞株に対して低濃度のBPで抗腫瘍効果を示した。細胞周期においてはS期の細胞比率は高値を示さなかったが、Sub-G1期の細胞比率の増加を認めた。さらに、Rap1Aのタンパク発現を認め、時間・濃度依存性にRap1Aのプレニル化を阻害することが判明した。他の軟部肉腫にも抗腫瘍効果を示す可能性があるのではないかと考えられた。
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Research Products
(2 results)