2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨・軟部腫瘍の転移に対するSSXを標的とした治療法の開発
Project/Area Number |
20591771
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
吉岡 潔子 Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses, 研究所, 主任研究員 (40342993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 和幸 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター, 研究所, 部長 (20301806)
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Keywords | SSX / osteosarcoma / lung metastasis / invasion / MMP-1 / siRNA / LC / MS / MS / ChIP |
Research Abstract |
我々は、stageのすすんだ骨軟部腫瘍でSSXの高発現が認められる事を既に報告した。そこで、内因性にSSXを発現するヒト線維芽肉腫細胞株HT1080にSSXを過剰発現させた安定株を樹立すると、SSX導入株は、soft agar colony formation、運動能、浸潤能の亢進を認めた。逆に配列特異的なsiRNAをHT1080 cellに導入し、SSX発現レベル(controlの50%)を低下させると、浸潤能(controlの60%)、運動能(controlの50%)の低下を観察した。さらに、SSX導入HT1080 cellsがxenograft modelで高率に肺転移を来すことを観察しており、siRNAを用いた治療実験を開始している。次にSSX結合蛋白質の検索のため、FLAG-SSXを発現するHT1080 cellのlysateをFLAG抗体gelを用いてpurify、LC/MS/MSにてsequenceし、Histone H1とPARP-1(Poly(ADP-ribose)polymerase 1)を含む複数の蛋白質を候補として分離・同定しか。一方、SSXの下流の遺伝子の解析のため、HT1080 cellを用い、SSXを外因性に高発現する細胞株と、siRNAで発現抑制した細胞株、コントロール細胞株におけるRNA発現をAgilent社microarrayにて解析し、SSXにより発現調節される分子として、MMP-1を見いだした。SSX発現に伴う、MMP-1のタンパクレベルでの発現量、酵素活性の変化を確認し、さらに、MMP-1 promoter領域にSSXが結合することをChIP assayにて確認した。以上の結果より、SSXは、種々のtarget遺伝子(MMP-1等)のpromoter領域に結合し転写調節を行うことで、細胞運動能や浸潤・転移能を正に制御していることが推定され、骨軟部腫瘍肺転移の新規分子標的と考えられる。
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Research Products
(11 results)