2008 Fiscal Year Annual Research Report
大腿骨頚部骨形態自動計測システムの開発及び骨折予測判定指標の確立:国際共同研究
Project/Area Number |
20591774
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村木 重之 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特任助教 (40401070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 典子 東京大学, 医学部・附属病院, 特任准教授 (60240355)
阿久根 徹 東京大学, 医学部・附属病院, 特任准教授 (60282662)
馬淵 昭彦 東京大学, 医学系研究科, 准教授 (80312312)
岡 敬之 東京大学, 医学部・附属病院, 特任助教 (60401064)
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Keywords | 大腿骨頚部骨折 / 骨形態 / 自動測定 / X線写真 / ソフトウェア / コンピュータ |
Research Abstract |
大腿骨頚部骨折(FNF)の簡便な予測指標として、大腿骨頚部の骨形態が有望視されているが、FNFの予測判定指標の確立には至っていない。その原因として、計測法の煩雑さが挙げられており、骨形態計測による骨折予測指標を確立する上で、計測法の抜本的改善が必要不可欠である。 そこで、本年度は、コンピューターによる大腿骨頚部骨形態自動測定システムの開発を行った。まず、大腿骨頭部のパターン認識アルゴリズムを作成し、次に大腿骨頚部から骨軸にかけて骨と閾値が異なる部分を境界とする輪郭線を抽出し、ベクトル化出来る設計とした。さらに、このベクトルに対して微分を行い変曲点とすることにより、大腿骨頚部の基部と遠位部、大転子、小転子の位置情報を取得する。次に、皮質幅計測のため、抽出した輪郭線よりなる閉曲線を内部方向に操作し内側の輪郭線を描出する。頚体角の測定は、小転子と大転子以下の輪郭線を遠位に捜索して骨軸部の2本の線を抽出して回帰直線を作成、さらに大腿骨頚部を抽出して同様に回帰直線を作成することで測定を行う。以上により、大腿骨頚部のHip Axis Length、Femur Axis Length、大腿骨頭径、大腿骨頚部皮質骨幅、大腿骨皮質骨幅、大腿骨頚部幅、大腿骨頚部面積、大転子小転子幅、大腿骨幅、頚体角の自動測定システムの開発に成功した。 今回開発した大腿骨頚部骨形態自動計測システムは、股関節X線画像を読み込ませるだけで、瞬時のうちに大腿骨頚部の骨形態を自動計測する画期的なシステムである。また、本システムはWindows上で動くため非常に汎用性が高い。 今後、一般住人の大腿骨頚部骨形態値を計測し大腿骨頚部骨形態標準値を確立するとともに、大腿骨頚部骨折患者と比較することにより、大腿骨頚部骨折に影響のあるパラメーターを解明していくことが課題となる。
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