2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591777
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋本 淳 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (40237938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
名井 陽 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (10263261)
史 賢林 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60575893)
平尾 眞 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10527708)
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Keywords | 低酸素濃度 / 骨形成 |
Research Abstract |
酸素濃度が骨形成や骨吸収に与える影響を研究している。平成21年度までに、破骨細胞前駆細胞であるCD14陽性細胞と、骨芽細胞様細胞であるSaOS4/3細胞との共培養において、形成された破骨細胞が高酸素濃度下では長期にわたって生存することを確認した。また、高酸素濃度下ではCD14陽性細胞におけるc-fmsの発現が上昇する一方、SaOS4/3細胞においてそのリガンドであるM-CSFの発現が上昇していた。さらに、組織中でM-CSF発現細胞とTRAP陽性破骨細胞の局在が一致し、同部位でROSの発現が高いことも確認され、局所の高酸素濃度が破骨細胞の形成および生存を促進することが強く示唆された。次に平成22年度は、酸素濃度の骨形成への影響を検討した。まず、実際の生体における組織中の酸素濃度を、家兎の筋肉組織ならびに関節内で測定した。次に骨芽細胞前駆細胞であるMC3T3-E1細胞を、通常の20%あるいは5%の二通りの酸素濃度で、またメディウム量を5mlあるいは2mlの二通りで培養し、培養上清中の酸素濃度をシャーレ底面すなわち培養している細胞からの距離ごとに酸素濃度測定記録計を用いて測定した。その結果、酸素濃度は表面から下に行くほど、すなわち培養細胞に近づくほど低くなったが、その変化はメディウム量が5mlのときに顕著であった。また、培養細胞近傍の酸素濃度は5%の低酸素濃度で培養したときのほうが先の生体組織内で測定した酸素濃度に近く、実際の生体内の環境を再現していると考えられた。さらに他の間葉系細胞の培養においても同様の結果が認められ、骨形成の実験において細胞培養は比較的少量のメディウム量で、かつ低酸素濃度下で行ったほうがよいことが示唆された。
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Research Products
(1 results)