2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポリコーム蛋白の機能とターゲット遺伝子解明による関節リウマチ分子標的治療法開発
Project/Area Number |
20591786
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小宮 節郎 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30178371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸口 啓夫 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40423727)
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Keywords | 関節リウマチ / 骨肉腫 / BMI-1 / EZH2 / ポリコーム蛋白 |
Research Abstract |
ポリコーム蛋白はヒストンH3K27のトリメチル化やDNAのメチル化に直接関与して遺伝子の発現を制御していることが報告されている。ポリコーム蛋白による遺伝子発現の制御は正常な発生や分化に重要であることが報告され、ポリコーム蛋白の発現異常・機能異常が癌細胞の異常増殖に関与していることが報告されている。我々はポリコーム蛋白の関節リウマチ(RA)滑膜細胞における発現や細胞増殖・炎症性サイトカインの分泌へ及ぼす機能の解析を行った。RA滑膜組織では変形性関節症の滑膜組織と比較してある種のポリコーム蛋白の発現が上昇していた。さらにヒト骨肉腫培養細胞・骨肉腫患者生検組織でも正常骨芽細胞・正常骨組織と比較してポリコーム蛋白の発現が上昇していることを見出した。特にBMI-1とEZH2の発現上昇が定量的PCR,免疫染色にて観察された。さらにトリメチル化ヒストンの上昇も免疫染色にて細胞株・患者組織にて観察された。これらの結果よりRA滑膜組織やヒト骨肉腫組織の異常増殖にポリコーム蛋白が関与している可能性が示唆された。siRNA, shRNA,などを用いてBMI-1とEZH2の機能をノックダウンしたがin vitro, in vivoにおいて骨肉腫細胞の増殖抑制作用は認められなかった。ポリコーム蛋白質は骨肉腫細胞で高発現しているので診断や免疫療法に応用可能であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)