2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591792
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 政巳 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 准教授 (00171801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 実 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (10191800)
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Keywords | 軟骨 / 骨 / 軟骨代謝 / 骨代謝 / 石灰化 / 小人症 / モデル動物 / ラット |
Research Abstract |
聖マリアンナ医科大学大学院実験動物飼育管理研究施設で見出され、自然発症軟骨石灰化不全ラット(CCIラット)と名付けられたSD系ラット由来の発育不全ラットは、全身的変化として四肢短縮を伴う小人症を示し、また軟エックス線像から成長軟骨の石灰化不全を特性とすることが示されている。本研究はCCIラットの特徴と発育不全の原因を解明するとともに、CCIラットを用いて軟骨石灰化機構を解明することを目的とした。HE染色やサフラニン0染色等の組織学的解析からCCIラットはほぼ全身における成長軟骨の石灰化不全を特性とし、軟骨内骨化に異常のあることが明らかとなった。一方膜性骨化は正常であると考えられた。さらにCCIラットの軟骨石灰化不全の原因を明らかにするために、後肢成長板における遺伝子発現をリアルタイムPCR法により調べた。CCIラット成長板におけるmRNAの発現は正常ラットを1としたときに、FGF18mRNAの発現は11.4と著しく高値、Indian hedgehog (Ihh) mRNAの発現は0.06と著しく低値であった。またオステオカルシン、オステオポンチンおよび骨型アルカリフォスファターゼ(BAP) mRNAの発現が低値であった。FGF18は成長板におけるIhhの発現を抑制すること、またIhhは長骨の長軸方向への発達の調節に関与し、さらにBAPの活性亢進を介して石灰化を促進することが報告されている。CCIラット成長板ではFGF18の発現亢進によりIhhの発現が抑制され、これがBAPの発現を低下させて石灰化を抑制していることが考えられた。今後CCIラットの軟骨石灰化不全機序を詳細に検討するとともに原因遺伝子の解明を進め、CCIラットの疾患モデル動物としての可能性を明らかにし、さらにCCIラットを用いて軟骨石灰化機構の解明進めたい。
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