2010 Fiscal Year Annual Research Report
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20591792
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 政巳 聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00171801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 実 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (10191800)
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Keywords | 軟骨 / 骨 / 骨代謝 / 軟骨代謝 / 石灰化 / 小人症 / モデル動物 / ラット |
Research Abstract |
聖マリアンナ医科大学大学院実験動物飼育管理研究施設で見出されたSD系ラット由来の自然発症軟骨石灰化不全ラット(CCIラット)は四肢短縮と短躯を伴う発育不全を示す。CCIラットはほぼ全身における成長軟骨の石灰化不全を特性とし、軟骨内骨化に異常のあることが明らかとなった。またCT像から求めたCCIラット脛骨の骨密度は正常ラットと差はなく、CCIラットでは成長軟骨の石灰化遅延が生じていると考えられた。CCIラット成長板においてfibroblast growth factor18(FGF18)mRNAの発現が著しく高値であった。また骨型alkaline phosphatase(BAP)mRNAの発現が低値であった。これらのことからCCIラットの成長板ではFGF18の発現亢進によりBAPの発現を低下し、軟骨の石灰化を抑制していることが考えられた。一方、四肢短縮と同様に、頭部の幅径、長径は野生型に比べ短縮し、成長に伴いその差は顕著になった。下顎頭軟骨の石灰化は遅延し、バチ状に変化していた。下顎骨は上顎骨に比べ前方に移動しており、切端咬合を呈した。μCTによる分析からCCIラットの骨の石灰化は関節軟骨部で著名に抑制されていた。骨密度は、膜性骨化である皮質骨でも低下していた。3点曲げ試験による骨強度も顕著に低下していた。歯の石灰化や形態異常は認められなかった。今後さらにCCIラットの軟骨石灰化不全機序を明らかにするとともに、CCIラットの軟骨石灰化機構解明へのCCIラットの利用と疾患モデル動物としての可能性を明らかにしたい。
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