2010 Fiscal Year Annual Research Report
上行性賦活系を応用した麻酔覚醒機序の検討:速やかな覚醒と穏やかな回復を目指して
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20591797
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
櫛方 哲也 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (80250603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 和美 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20238413)
吉田 仁 弘前大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00374843)
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Keywords | 麻酔科学 / 麻酔の質 |
Research Abstract |
SD系雄性ラットにおいてNPS(0.1, 1.0, 10.0 nmol icv)はケタミン(100mg/kg)とチオペンタールの酔時間を有意に短縮させた。また、NPS受容体の拮抗薬である[D-Cys (tBu)5]NPS(20 nmol icv)は上記の麻酔時間を延長し、NPSと[D-Cys (tBu)5]NPS同時投与では対照群と麻酔時間に有意差が得られなかった。この結果は内因性のNPSが麻酔時間の維持に影響していることを示唆するものである尚、いずれの麻酔薬においても導入時間にNPSは影響を与えなかった。 更にケタミン(100mg/kg)を用いた麻酔において。麻酔前後の睡眠を連続7日間記録しその変化を検討した。各時間毎にラットの意識状態を睡眠研究で幅広く用いられている基準、覚醒、ノンレム(NREM)睡眠、レム(REM)睡眠に分類した。各意識状態の判定の診断基準は、覚醒は高周波低電位の脳波所見と粗大な体動の表出、ノンレム睡眠は低周波高電位の脳波所見と体動の欠如、レム睡眠は高周波低電位の脳波所見と体動の欠如である。麻酔後に睡眠が変化する事が判明した。ケタミン麻酔後1日目よりREM睡眠が対照値より、麻酔2-3日目をピークとして一過性に増加した。NREM睡眠は減少傾向にあったが、有意な差異は認められなかった。上記の如く投与したNPSはケタミンの睡眠に対する効果を減弱した。脳温の変化はNPS投与群の麻酔中から24時間に亘り他群と比較して有意な上昇を認めた。
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Research Products
(2 results)