2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591798
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
田辺 久美子 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 助教 (30402209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 修 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90225417)
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Keywords | 中枢神経保護 / アストロサイト / ストレス蛋白質 / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
ストレス蛋白質(HSP)は中枢神経系において細胞保護作用を持つと推測されているがその詳細は明らかではない。われわれは、グリア細胞株C6細胞において、α_2受容体のアゴニストであるdexmedetomidineが低分子量HSPの一つであるHSP27におよぼす影響を検討した。その結果1、protein kinase Cの活性化物質であるTPAは時間依存性にHSP27のリン酸化を促進した。2、adenylyl cyclaseの活性化物質であるforskolin、透過性cyclic AMPアナログのdibutyryl-cAMP、adenylyl cyclasc-cAMP系を活性化するprostaglandin (PG) E_1、PGE_2はTPAによるHSP27のリン酸化を抑制した。3、dexmedetomidineは単独ではHSP27の発現レベルおよびそのリン酸化には影響を及ぼさなかったが、forskolin、PGE_1、PGE_2によるHSP27のリン酸化の抑制を解除した。dexmedetomidineは中枢神経保護作用を有すると報告されているがその作用機序は明らかではない。今回の結果より、グリア細胞においてHSP27はprotein kinase Cの活性化によりリン酸化されること、adenylyl cyclase-cAMP系はこのリン酸化を抑制すること、dexmedetomidineはadenylyl cyclase-cAMP系を抑制することにより、HSP27のリン酸化に対して影響を及ぼしていることが明らかとなった。以上よりdexmedetomidineはHSP27のリン酸化を制御することにより、中枢神経保護作用に影響を与える可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)