2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591798
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
田辺 久美子 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (30402209)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 修 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90225417)
|
Keywords | 中枢神経保護 / アストロサイト / 細胞内情報伝達 / サイトカイン / HSP27 |
Research Abstract |
Interleukin(IL)-1βは中枢神経系では、脳虚血、アルツハイマー病、脳傷害などで神経細胞、アストロサイト、ミクログリアでその産生が制御され、IL-6など種々のサイトカインの産生を促進する。IL-6は神経細胞、アストロサイトにおいて産生され、炎症反応のみならず、神経保護作用、神経障害性疼痛等において重要な役割を担っている。低分子量ストレス蛋白質のひとつであるHeat shock protein(HSP)27は分子シャペロンとして知られており、近年、HSP27が免疫応答において重要な役割を果たしていることが明らかとなってきた。中枢神経系においては虚血など様々な刺激によりその発現が促進することが知られているが、その役割の詳細は未だ明らかではない。さらにHSP27はリン酸化されることが知られているがその意義は明らかではない。今回、C6グリア細胞においてIL-1ssによるIL-6の産生における、HSP27の役割を検討した。 その結果(1)IL-1βはIL-6の遊離、産生を促進したが、HSP27の誘導には影響しなかった。(2)HSP27を強制発現させた細胞においてIL-1βによるIL-6の遊離が増強された。(3)リン酸化型HSP27を強制発現させた細胞においては、非リン酸化型HSP27を強制発現させた細胞と比しIL-1βによるIL-6の遊離、産生のレベルは抑制された。 以上より、C6グリア細胞においてリン酸化HSP27は、IL-1βによるIL-6の産生を制御していることが示唆された。今後、HSP27とそのリン酸化状態の制御が神経保護やその他の中枢神経系疾患において、重要な治療の対象となる可能性が新たに示唆された。
|
Research Products
(3 results)