2008 Fiscal Year Annual Research Report
遅発性神経細胞死における細胞内エネルギー代謝調節酵素に関する研究
Project/Area Number |
20591806
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
福田 志朗 Yamaguchi University, 医学部附属病院, 助教 (70322245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 美志也 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60243664)
石田 和慶 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (80314813)
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Keywords | 脳・神経 / 虚血性細胞障害 / 細胞内代謝調節 / AMP-activated Protein Kinase / 免疫ブロット法 / ラット断頭モデル / 全脳虚血 |
Research Abstract |
虚血・低酸素性神経細胞傷害発生に対する有効な治療法として、低体温や血糖の厳密なコントロールといった細胞内エネルギー代謝の調節に関与する手段が主として用いられてきた。その保護効果の機序を解明する手がかりとして、われわれは細胞内エネルギー調節酵素AMP-activated Protein Kinase(AMPK)に注目し、脳虚血後のAMPK活性の変化を観察した。 初年度は、ラット断頭モデルを用いた。生後7週齢(体重250-280g)のWistar系雄ラットを5%イソフルランおよび酸素を投与し侵害刺激に反応しない深麻酔状態としたのちに断頭した。頭部を直ちにプラスチックバッグに入れ、37℃の高温槽に保存した。断頭後0分、30分、60分、120分後に頭部から脳標本(小脳を除く)を摘出し、液体窒素を用いて急速凍結した後に-80℃の冷凍庫に保管した。標本をSucrose-Tris緩衝液中でhomogenizeし免疫ブロット法のための試料を作成した。試料は電気泳動の後、免疫ブロット法によってp-AMPKα、p-AMPKα2、およびp-AMPKβ1を測定した。この結果、p-AMPKα2、およびp-AMPKβ1は断頭60分後に増加し120後に減少する傾向があった。このことから、ラット全脳虚血状態において、AMPKα2、およびAMPKβ1は経時的に活性が高まると共に虚血1時間後程度で活性が減少する可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)