2009 Fiscal Year Annual Research Report
遅発性神経細胞死における細胞内エネルギー代謝調節酵素に関する研究
Project/Area Number |
20591806
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
福田 志朗 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 講師 (70322245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 美志也 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60243664)
石田 和慶 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (80314813)
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Keywords | 脳虚血 / AMP-ativated protein kinase / AICAR / 細胞内エネルギー調節 / 中大脳動脈閉塞モデル / TTC染色 / 神経細胞傷害 / ウィスターラット |
Research Abstract |
脳虚血の病態において神経細胞内での虚血時のエネルギー代謝の病態を知ることが虚血性脳障害への治療につながる可能性がある。細胞内エネルギー代謝調節に重要とされるAMP-cativated kinase(AMPK)活性の脳虚血下にする影を証したAMPKの活性亢進を促す薬物AICARを虚血開始時に腹腔内投与し。AMPK活性を修飾することで梗塞体積がどのように変化するかを検証した。ウィスター雄性ラット(週齢8-9週)による右中大脳動脈永久閉塞モデルを作成し、虚血後約24時間に深麻酔下に脳を採取し2%TTC染色法(生食を溶媒として標本を染色液に30間incubate)を用いて梗塞体積を評価した。投与薬物はAICAR500μgを生食1mlに溶解したもめ、ないし生食1mlのみとした。実験にあたっての麻酔方法はイソフルラソ吸入によるマスク麻酔・自発呼吸下で行った。脳虚血実験には3-0ナイロン糸を右内頸動脈から留置し同動脈を結紮して右中大脳動脈を閉塞させた。Sham寒験では3-0ナイロン系は挿入せず、その他は脳虚血実験と全く同じ手術操作を行った。本実験群を1)脳虚血-生食投与群(I-P)、2)脳虚血-AICAR投与群(I-A)、3)Sham実験-生食投与群(S-P)、4)Sham実験-AICAR投与群(S-A)に分けた(各群n=4)。梗塞体積は視交叉レベルでの脳冠状切断面において完全に脳梗塞に陥った領域をNIH imageソフトによって測定した。その結果、I-P群の梗塞体積を100としてI-A群は平均48.4であったが梗塞体積の個々のばらつきが大きく統計学的に有意差は得られなかった。S-P・S-A群では脳梗塞像は認められなかった。AICARは脳梗塞体積を減少させる傾向を示し、かつ虚血脳への明らかな障害を及ぼさなかった。
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