2010 Fiscal Year Annual Research Report
ウェーブレットバイコヒーレンス法を用いた視床皮質再帰性回路の過渡的同期特性解明
Project/Area Number |
20591812
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
林 和子 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (40285276)
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Keywords | ウエーブレット / バイコヒーレンス / ハーモニックウエーブレット / ダイナミック / 脳波 / ニューロンネットワーク / 位相 / 同期 |
Research Abstract |
睡眠や麻酔が、ニューロンの同期を変化させることが知られる.これらの同期制御は,脳波のα及びδ-θ帯域におけるバイコヒーレンスのピーク増強として検出される.しかし、従来のフーリエ変換を用いたバイコヒーレンス解析には数分の定常状態での脳波信号が解析に必要であり、ダイナミックな脳波のネットワーク制御を検討することはできない.ウェーブレット信号を用いた方法により、脳波のバイコヒーレンス解析をすることを試みた。中等度麻酔深度(sevoflurane2%)下の定常状態の脳波信号(2秒間、および8秒間,128Hzサンプリング)を複素数連続Morletウェーブレット(wavelet center frequency=1, bandwidth parameter=1)を用いて時間スケール情報に変換後、各スケールに対応する周波数のウェーブレット変換係数を算出し、これをバイコヒーレンス解析に必要なフーリエ変換情報の代わりに用いて、バイコヒーレンス算出を試みた.用いた複素Morletウェーブレットは、 Ψ(x)=√^<πf_b>e^<2iπf_ex>e^<-x^2/(f_b)> で表わされるウエーブレット関数で、フーリエ解析では困難な非周期的な非定常信号の解析が可能である。問題点として、低周波成分については、幅の広い窓は周波数分解能が良いが時間分解能は悪く逆に高周波成分については,幅の狭い窓は時間分解能は良いが周波数分解能が悪いと考えられた。
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