2008 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬の作用発現調節機構-脳内薬物動態と脳波、交感神経受容体との関連
Project/Area Number |
20591813
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小田 裕 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 准教授 (70214145)
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Keywords | アミド型局所麻酔薬 / 脳 / 薬物動態 / レボブピバカイン / ブピバカイン / 光学異性体 / マイクロダイアライシス / 側座核 |
Research Abstract |
マイクロダイアイシス法を用いて局所麻酔薬の薬物動態の解析を行った。以前より用いている方法に従い、動静脈にカテーテル、大脳辺縁系の側座核にマイクロダイアライシスプローブ(以下、プローブ)を入れた覚醒状態のラットモデルを用いた。プローブは内部標準物質を含む人工脳脊髄液で灌流し、得られた灌流液をフラクションコレクターで経時的に採取した。局所麻酔薬として従来から用いられているラセミ体ブピバカイン(ブピバカイン)に加え、最近市販が開始された、より毒性の低いレボブビバカインを用いた。血行動態や血液ガスの変化、痙攣の発生を防ぐ目的から、従来より低用量で持続静脈内投与(0.1mg/kg/min)を行った。投与時間は、血中濃度がほぼ平衡に達すると思われる2時間とした。また採血と灌流液の採取の時間間隔を短くし、血中濃度と脳内濃度の関連を求めた。ブピバカインの定量は、得られた灌流液中の濃度をもとに、内部標準物質の消失率(rate of loss)と回収率(rate of recovery)の関係より行った。その結果、ブピバカイン、レボブピバカインの何れについても、血中濃度は2時間でほぼ平衡に達し、投与速度と排泄速度がほぼ等しくなることが分かった。また、投与中の2時間および投与終了後の2時間、計4時間に亘って血圧・心拍数はほとんど変化せず、投与前と有意差は無かった。また痙攣などの中枢神経毒性や不整脈などの心毒性も認められず、血液ガスもほぼ一定に保たれ、脳血流量は変化しないこと示唆された。ブピバカイン、レボブピバカインの血中濃度はほとんど等しく、ブピバカイン光学異性体同士は薬物動態がほぼ等しいことが明らかになった。
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Research Products
(12 results)