2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591815
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
木本 吉紀 Wakayama Medical University, 医学部, 助教 (20316110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑埜 義雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70115913)
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Keywords | 麻酔 / 遺伝子多型 / 血圧変動 / Rhoキナーゼ |
Research Abstract |
厚生労働省による「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」に従い、附属施設の倫理委員会の承認を得る。現在、Rho kinaseの活性に影響すると報告されている3カ所のSNPを今回の研究の対象とする。ヒト血液を検体として、SNPタイピングを行い、さらにRho kinase活性を測定する。患者それぞれに対し、麻酔導入時の血行動態の変動を測定する。麻酔導入時の血行動態の変動は、糖尿病、高血圧や高脂血症など様々な合併症を有する患者の麻酔症例が日常化する中で厳密な管理が必要となって来ている。高齢者や高血圧患者では経験的に麻酔導入時の血圧の低下が著しいことはよく知られており、その対策として、薬剤量を調節することで対処しているが、血圧変化を完全に予測することは困難で、時に予期せぬ低血圧を招す場合がある。本研究の対象としたSNPsに当てはまる遺伝的背景の患者では、Rho kinase活性が充進していることが予想される。すなわち、個人の遺伝的背景をパラメーターとして活用することにより、血圧動態の大きい症例をあらかじめ推測することが可能となり、術前よりの麻酔薬の選択を含めた麻酔におけるオーダーメイド医療を可能にすることが本研究の特色である。本研究をもとに、糖尿病、高脂血症、高血圧など合併症を有する患者に対する麻酔薬の血管作用が個人により異なることが知られていたが、その原因のひとつとして遺伝子多型に求めるところが本研究の独創的な点である。 (1)厚生労働省による「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」に基づき、和歌由県立医科大学遺伝子研究倫理委員に申請した。現在、実験の許可がおり次第、実験を開始する。 (2)研究の準備として、PCR、SNPタイピングに必要なプライマーは作成した。SNPタイピング用プライマーについて既に作成しており、PCRの機材も使用可能な状態である。
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Research Products
(1 results)