2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規脳保護法を導く脳内トランスポーターコントロールの解明
Project/Area Number |
20591818
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
室園 美智博 Tokyo Medical University, 医学部, 講師 (70276947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 真也 東京医科大学, 医学部, 講師 (20297279)
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Keywords | P-glucoprotein / 脳虚血 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
P-gpなどの脳内輸送担体は、アポトーシス関連物質やサイトカインなどとも密接に相互作用を及ぼしており、P-gp自体の脳組織内の局在的な特徴や働きから神経障害に影響していることが示唆されている。今回はP-gpの作用に関してmdrlaノックアウトマウスを使って一過性局所脳虚血モデルを作成し、再灌流後のサイトカイン(IL-1beta, IL-6, TGF-beta1)を測定、また組織内でのサイトカインの局在状況も確認追加した。 実験方法:対象はmdrlaノックアウトマウス群とFVB正常マウス群。一過性局所脳虚血はシリコンコーティングした6-0モノフィラメントを外頚動脈から挿入し、中大脳動脈起始部に留置、30分間虚血後、モノフィラメントを抜去し、再灌流する。再灌流後、各設定時間に採血し、ELISA法にて各サイトカインの定量的測定を行なう。また、虚血後の脳組織切片を作成し、各サイトカインの局在を確認した。結果:現在のところIL-6は虚血再灌流後6時間時にmdrlaノックアウトにおいて正常マウスと比較して有意に低下を示した。IL-1beta, TGF-beta1に関しては両マウス間に明らかな違いはないが、更なる検討が必要と思われた。また組織標本による各サイトカイン局在は、両マウス間での明らかな相違は認めなかった。今回の結果より、以前局所脳虚血によるダメージが、mdrlaノックアウトマウスの方が正常マウスより有意に少なかったを報告しており、その結果に今回の結果を加えることで、脳虚血時のP-gpの働きがより具体的に解明されることが予想される。
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Research Products
(2 results)