2008 Fiscal Year Annual Research Report
腹臥位換気法の長期連続施行における適用限界の有無について
Project/Area Number |
20591830
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
岡崎 直人 Tottori University, 医学部, 助教 (30032204)
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Keywords | 人工換気法 / 体位 / 傷害肺 / 肺酸素化能 / サイトカイン / 腹臥位換気法 |
Research Abstract |
仰臥位換気法に対して腹臥位換気法は肺酸素化能に優れているとされているが、傷害あるいは傷害に及ぶ可能性のある肺に対して長期に及ぶ施行においても有効性が保障されるかどうか、若しくは肺欝血状態をもたらすと考えられる腹臥位法の限界を超えた長期施行は肺傷害を惹起させることになるのではないか、を検討するために以下の実験を行った。 申請時の計画に従い低濃度酸素(0_2:12%)による換気を試みたが、酸素化能の減弱化(PaO_2/F_1O_2<300)を招来させるには、健常ウサギを対象にした場合、長時間を必要とし(48時間観察)、時間的な因子が循環動態等を介して作用したと考えられる個体間でのバラツキ(気道内圧等機能障害発現時間)が大きくなり、両体位間の差異を弁別する方法としての該法の応用意義は統計的に認められないものと判断せざるを得なかった。そこで、肺障害を誘発しながら両体位間の差異を検討すべく、高容量換気法(TV:25ml/kg)に転じたが、結果は、低酸素換気法と同じく個体間でのバラツキが大きく、体位差を明確にする方法とはならなかった。 最終的に、Lipopolysaccharideを肺動脈から投与する方法とし(0.5mg/kgが適当と判定)、循環動態の測定、ならびに左肺は肺洗浄液採取(上葉、下葉に分けてTNF-α、 IL-8、 HMGB-1、 Myeloperoxidase活性の測定)、右肺は組織病理鑑定に供し、体位間で3葉毎に比較することとして現在続行中である(本年度は決定通知後の12月に心拍出量計測器を発注したために実質実験期間は2ヶ月強であった)。
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