2009 Fiscal Year Annual Research Report
腹臥位換気法の長期連続施行における適用限界の有無について
Project/Area Number |
20591830
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
岡崎 直人 鳥取大学, 医学部, 助教 (30032204)
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Keywords | 人工換気法 / 体位 / 傷害肺 / 肺酸素化能 / 腹臥位換気法 / 酸素消費量 |
Research Abstract |
目的:日本白色種雄性家兎18匹を仰臥位(Supine:S群)および腹(伏)臥位(Prone:P群)の2群に分け、低酸素吸入負荷における循環動態を観察した。 方法:ペントバルビタールナトリウムで麻酔し(維持は筋弛緩剤を併用)、気管切開・挿管後、3cmのPEEP、6ml/kgの一回換気量で換気し、仰臥位状態でnormocaniaとなるように呼吸回数を調節、管理した。外科処置終了後30分経過した時点でコントロール値を測定した。測定後直ちにS群とP群の2群とに無作為に分け、吸入気酸素濃度を15%に切り替え、6時間にわたって循環動態、呼吸・酸塩基情報を測定し、両群間の差異を観察した。統計は分散分析により危険率0.05をもって決定した。 結果:心拍数の推移動態は体位によって差異が認められた。平均肺動脈圧の推移に関しては、両群間に差は認められなかったが、6時間値はいずれもコントロール値に対して有意な値を示した。Rate Pressure Productの推移についてはP群では低酸素負荷に対して恒常性が維持されていたが、6時間目に至って有意に低下した。一方、S群は負荷後漸減し続け、4.5時間後には有意な変化となった。P群の心拍出量は全経過を通じて概して変化しない推移を示し、コントロール値に対して最大変化率は6時間値の-5%で、S群は4。5時間後の+26%であった。結果、後半時において両群の変化の態様は有意に異なるものと判定された。Stroke Volumeついては3時間目以降の推移様態に両群間で差が認められた。P群ではコントロール値に対する6時間時の変化率は-4%で、S群は+24%と有意に増加していた。両群間に於ける動静脈血酸素含量較差の推移は有意な差を示した。酸素供給量は群間に差は認められなかった。一方、両群間の酸素消費量の差は3時間以降で認められた。0_2 Extraction Ratioは両群共に低酸素負荷により増加したが、P群の最高値が0.33に止まったのに対してS群は1.5時間以降0.4を上回る有意な値を示し両群間で差が認められた。
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