2010 Fiscal Year Annual Research Report
腹臥位換気法の長期連続施行における適用限界の有無について
Project/Area Number |
20591830
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
岡崎 直人 鳥取大学, 医学部, 助教 (30032204)
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Keywords | 人工換気法 / 体位 / 傷害肺 / 肺酸素化能 / 腹臥位換気法 / 酸素消費量 |
Research Abstract |
ウサギを用いたin vivo実験を終え、肺を限定としたときの体位の影響を検証すべく、ウサギ摘出灌流肺を対象に低酸素負荷による肺の傷害度について検討した(in vitro実験)。ウサギ摘出灌流肺を無作為に2群に分け(各群n=6)、自作した体位別の固定具に付置し、流量30ml/kg/minで灌流し(灌流液は自家血12%、hydroxyethyl-starch 3%からなるphysiological salt solution)、5%酸素で2時間換気する低酸素負荷を与えた。肺の傷害の程度を負荷前後の肺血管抵抗分画値、肺血管外水分透過量、および肺乾湿重量比(左肺)、肺洗浄液ミエロパーオキシダーゼ活性(右肺)について検討した。肺血管外水分透過量、ミエロパーオキシダーゼ、血管抵抗に差は認められなかったが、平均値はいずれもprone(伏臥位)群が高かった。乾湿重量比はprone群の方が有意に高く、乾重量は両群で差はなかったことからprone群の肺内血液滞留量は有意に多いことが示された。In vivo実験によるデータと統合すると、心拍数、rate pressure productはprone群が、心拍出量、酸素パラメータ(消費量、抽出量、動静脈含量格差)はsupine(仰臥位)群が高値を示したことから、すなわち、prone群は圧、supine群は流量依存性の反応であると推測された。心拍出量の低下したProne群の酸素化能は見かけ上の所産であり、酸素供給量はsupine群に比して少なく、低酸素状態での長期間のprone体位の適用には問題があると推測された。
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