2010 Fiscal Year Annual Research Report
オピオイド製剤による二量体化オピオイド受容体脱感作機構の解析
Project/Area Number |
20591834
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
北條 美能留 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (00380957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上園 保仁 国立がんセンター研究所, がん患者病態生理研究部, 部長 (20213340)
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Keywords | オピオイド / 二量体 / 疼痛 / 耐性 / 共焦点レーザー顕微鏡 / FRET / モルヒネ / internalization |
Research Abstract |
がん性疼痛や慢性難治性疼痛におけるモルヒネの長期使用は、耐性や依存性などの副作用対策が喫緊の課題となる。モルヒネ耐性の分子機構は現在もなお完全には解明されていない。近年オピオイド受容体を含むいくつかのG蛋白共役型受容体(G protein-coupled receptors,GPCR)が二量体として生体に存在することが報告された。重要なことは、二量体化オピオイド受容体の薬理活性は単量体受容体とは異なることである。この違いがオピオイド耐性に関与するかどうか不明である。本邦においては、モルヒネ、オキシコドン、フェンタニルという作用の異なるオピオイド製剤が使用されているが、各オピオイド製剤が二量体化オピオイド受容体にどのように作用するか、全く不明である。また、オピオイドの鎮痛効果、耐性形成を考える上で二量体化オピオイド受容体が重要であることはコンセンサスを得られるようになってきたが、各種オピオイド製剤が実際二量体化オピオイド受容体だけにどのように作用するかという問いに対してはそれを証明する実験系が必要である。私たちは、二量体化オピオイド受容体の形成、その局在をFluorescence Resonance Energy Transfer(FRET)法により可視化する手法を開発した。 モルヒネ鎮痛、耐性に重要な役割を果たしていると考えられる二量体化受容体のみをアッセイできるシステムを用いて、本邦で用いられているオピオイド製剤が二量体化オピオイド受容体にどのように作用するのか、その分子メカニズムを解析した。モルヒネとフェンタニルでは、単量体μ受容体とδ-μ二量体化オピオイド受容体internalization様式がかなり異なることを見いだした。さらに受容体リサイクルに関しても各種オピオイド製剤、二量体では作用が異なる事が判明した。
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