2008 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス惹起インスリン抵抗性による血管内皮障害への新しい治療戦略
Project/Area Number |
20591835
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
杉田 道子 Kumamoto University, 医学部附属病院, 講師 (70305019)
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Keywords | 糖尿病 |
Research Abstract |
本研究の目的はストレス惹起インスリン抵抗性に伴う臓器障害の主要因である血管内皮障害に対するRas阻害剤(ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤)の治療戦略への可能性を評価することである。血管内皮障害は、インスリン抵抗性における重要臓器障害の主要因である。ターゲットとなるシグナルについてはNitrosative stress、PI-3kinase→eNOS経路、NF-kBを介した過剰なiNOSによるNO発生、Akt/PKBなどがこれまで報告されてきた。一方HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)のlipid-lowering-independent effectがタンパクのファルネシル化抑制とされている。FPTaseの阻害剤で血管内皮障害を抑制できれば、さらにはスタチンの血管内皮障害治療への期待も広がることになる。 平成20年度においては重症患者モデル動物におけるRas阻害剤投与による血管内皮細胞内シグナルトランスダクションの変化について検討した。重症患者モデルとして熱傷ラットを用いた。雄性SDラットをペントバルビタールで麻酔し、III度熱傷を体表面積55%に行った。Sham群では37℃の温水につけた。その後RAS阻害剤であるmanumycinをosmotic pumpを用い持続的に腹腔内投与した。3日後屠殺、上下行大動脈を採取し血管内皮細胞を単離した。ホモジネートし蛋白を抽出、調整を行った。現在インスリンシグナルおよびNOSの発現について、Western Blot法にて解析を行っているところである。
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