2008 Fiscal Year Annual Research Report
HMGB1を標的とした血液浄化による新たな敗血症治療法の開発
Project/Area Number |
20591836
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
日高 正剛 Oita University, 医学部, 助教 (00404385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩坂 日出男 大分大学, 医学部, 准教授 (90175216)
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Keywords | 感染症 / 敗血症 |
Research Abstract |
重症敗血症においてショックから多臓器不全、死へと病態が悪化する過程で、致死的メディエーターであるHMGB1(high mobility group box1)が重要な役割を持つことが示されている。近年の研究では、HMGB1を標的とした新たな治療法の開発が模索されており、敗血症に合併し致死的となり得るDIC、ショック、多臓器不全からの救命率向上が期待されている。我々もHMGB1制御目的で、HMGB1抗体や、HMGB1の受容体であるRAGE(Receptor for Advanced Glycation Endproducts)に対する抗体を投与することで、エンドトキシンショックマウスの生存率が改善できることを報告しており、HMGB1制御の有用性を確認している。しかしながら、臨床的に有用なHMGB1制御方法は未だ確立していない。そこで今回の研究では、新たな敗血症治療として臨床応用の可能性を持つHMGB1制御手段として、血液浄化療法によるHMGB1除去に着目し、その有効性、安全性を確立することを目的としている。 研究計画では、1.HMGB1除去カラムの試作、2.実験的エンドトキシンショックモデルラットにおいて除去カラムの有効性、安全性の確認、3.in vitroで,ヒト血液を用いたHMGB1除去実験、以上の3段階で実験を行い、その結果を基に最終的にはヒトでの臨床研究へ展開していくことを計画している。H20年度は、第一段階としてHMGB1吸着物質を充填した新たな吸着カラムの試作を行った。また、それと同時に、現在臨床使用されている血液浄化膜(持続血液透析濾過器;ポリスルホン膜、白血球除去用浄化器)のラット用小型カラムも作成した。今年度は、これら試作カラムを基に、HMGB1除去性能、治療的有効性、安全性を検討し、より効率の優れたHMGB1除去カラム作成を目指す。
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