2008 Fiscal Year Annual Research Report
RM2が規定するハプトグロビンベータ鎖の前立腺癌細胞における機能的役割
Project/Area Number |
20591849
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
齋藤 誠一 University of the Ryukyus, 医学部, 教授 (80235043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 明宏 東北大学, 病院, 講師 (70344661)
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Keywords | 前立腺癌 / バイオマーカー / ハプトグロビンベータ鎖 / 糖鎖 / RM2 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
正常前立腺細胞PrEC、前立腺癌細胞株LNCaP,PC3,DU145におけるhaptoglobin-beta鎖のmRNA levelは、PC3>DU145>LNCaP>PrECの順に低く、PrECはわずかな発現レベルであった。RM2が反応するhaptoglobin-beta鎖の蛋白レベルは、PC3=DU145=LNCaPであり、PrECでは反応がみられなかった。5-AzaやPBAのepigeneticdrugを用いて前立腺癌細胞株を処理すると、増殖能が低下するとともにhaptoglobin-beta鎖のmRNA levelが低下した。さらに、RM2で処理したところ、足場依存性および非依存性増殖能ともに低下した。この増殖能の低下の要因を調べるため、Annexin Vで観察したところ、3種類の癌細胞いずれも有意(9%-PC3,16%-LNCaP,17%-DU145、それぞれ増加)にアポトーシスが増加していた。Matrigel chamberを用いて浸潤能をみたところ、75%(PC3)-90%(DU145)の割合で低下が見られた。また、PC3を用いてWound healing motility assayにて運動能を見たところ、RM2により有意に運動能が抑制され、F-actinの発現が減少していた。シグナル伝達分子の発現変化をみるため、5-AzaやPBAにて処理したところ、RM2が規定するhaptoglobin-beta鎖が減少するとともに、FAK, RhoA, ERK-2, STAT-3レベルが減少し、p38, C/EBPaレベルが増加していた。 以上、RM2が規定するhaptoglobin-beta鎖は、シグナル伝達分子の変化とともに前立腺癌細胞株の悪性形質の発現に関連していることが示唆された。
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