2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト前立腺癌におけるRap1 GAP SPA-1を介した転移機序の解明
Project/Area Number |
20591855
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉村 耕治 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (40397542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
中村 英二郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (90293878)
兼松 明弘 京都大学, 医学研究科, 助教 (90437202)
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Keywords | small G protein / 前立腺癌 / 癌転移 / SPA-1 / RAP1 |
Research Abstract |
SPA-1はRas familyであるsmall G protein Rap1のGTPaseを負に調節する蛋白をコードする遺伝子である。我々はヒト前立腺癌において解析を行ったところ転移性前立腺癌組織においてその発現の上昇を認め、SPA-1遺伝子を過剰発現させたヒト前立腺癌細胞株では転移能の亢進を、また同遺伝子をRNA阻害すると転移能の低下を認めた。現在、SPA-1蛋白発現の制御やSPA-1/Rap1を介した転移機序の解明を目指し研究を進めている。H20年度は主にSPA-1タンパクの発現制御機構の解明を行った。LNCaPとPC3細胞株におけるSPA-1 mRNAの発現は後者で約8倍の亢進を認めることから転写レベルでの制御を受けている可能性が示唆された。SPA-1プロモーター領域に結合しうる転写因子のmotifの解析などから、ETS-1が転写レベルでSPA-1遺伝子の発現を制御しヒト前立腺癌の転移能に関与する可能性が示唆された。そこで、ETS-1蛋白とSPA-1蛋白の発現の相関を先述した69症例の前立腺癌の針生検標本を用いて、免疫組織学的染色により解析を行ったところ、その発現レベルが相関する傾向を認めた。そこで、LNCaPとPC3細胞株においてgel shift assay及びルシフェラーゼアッセイにてETS-1の転写レベルでのSPA-1遺伝子発現制御機構の解明を行ったが、有意な結果を得ることが出来なかった。また、LNCaP細胞に対するETS-1蛋白の強制発現や、PC3細胞株におけるETS-1蛋白の発現をRNA阻害によるknock downにおいても、SPA-1蛋白の発現の変化は見られず、ETS-1がSPA-1遺伝子発現の調節に関与している可能性は低いと考えられた。今後、他の候補遺伝子について検討を行う予定である。
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Research Products
(4 results)