2009 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌のホルモン耐性獲得におけるチェックポイント機構の関与
Project/Area Number |
20591863
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
橋本 良博 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 研究員 (40244561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40264733)
中西 真 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40217774)
岡田 真介 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (40381818)
郡 健二郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30122047)
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Keywords | 前立腺癌 / 細胞周期 / チェックポイント機構 / Chk1 / Nek6 |
Research Abstract |
前立腺癌のホルモン耐性にアンドロゲン受容体の転写を取り巻く細胞周期制御因子のチェックポイント機構が関与するという仮説を基に、DNA損傷チェックポイントに関与するチェックポイントキナーゼであるヒトChk1をクローニングした(Genes Dev. 14, 1439-1447, 2000)。 Chk1はcdc25によるCdc2活性化を抑制し、G2/M期チェックポイントに必須であり、DNA傷害やDNA複製阻害による細胞周期停止に関与した(EMBO J. 21, 5195-5205, 2002)。また、G2期停止を引き起こすNIMA関連キナーゼ(Nek)を解析し、ヒトNek6を同定した。Nek6は細胞周期特異的であり、G1初期において発現が低下し、DNAの複製、転写、修復等に重要であるヒストンを効率的にリン酸化することから、分裂期(M期)キナーゼであることを確認した。これまでの実験でNek6のmRNAは前立腺組織内に特異的に発現し、前立腺癌においてLOHが認められる9番染色体長腕33-34領域に位置していた。アンドロゲン依存性前立腺癌細胞株LNCaPをアン・ドロゲン非存在下で長期間培養し、樹立したアンドロゲン非依存性前立腺癌細胞株LNCaP-HRを用いた実験で、Nek6発現量がLNCaPの50%以下、Chk1の発現はLNCaPの約80%と軽度の低下を認めたが、活性を持つリン酸化Chk1の発現量はNek6と同様にLNCaPの約20%以下であった。他のアンドロゲン非依存性前立腺癌細胞株においてもNek6とリン酸化Chk1の発現量はLNCaPと比べると明らかに低下していた。また、in vitroではあるが、Nek6がChk1の発現とChk1のリン酸化を誘導することから、Nek6がChk1の上流に位置する遺伝子である可能性が示唆され、解析している。
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Research Products
(3 results)