2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591869
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高橋 悟 日本大学, 医学部, 教授 (50197141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 聡 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (40251251)
浦野 友彦 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20334386)
平野 大作 日本大学, 医学部, 准教授 (40228804)
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Keywords | 前立腺 / Oct1 / ACSL3 / アンドロゲンレセプター / Amyloid Precursor Protein |
Research Abstract |
研究発表の項に示すように、平成22年度はホルモン応答性前立腺がん細胞であるLNCaP細胞におけるアンドロゲンシグナル応答に関する遺伝子の発現変化を検討した。 1.アンドロゲン受容体が、結合する際の様式、ピストン修飾等のエピゲノム解析について、検討を行った(雑誌論文1参照)。この中で、新規アンドロゲン応答遺伝子であるAmyloid Precursor Proteinが前立腺癌細胞の増殖を亢進させることが明らかにされた(雑誌論文2参照)。 2.また、雑誌論文2で得られたデータをもとに、融合遺伝子を形成するACSL3遺伝子の転写開始点上流にアンドロゲン応答領域が認められることを見いだし、そのアンドロゲン機構を検討した。ヒト前立腺癌細胞株LNCaPを用いたin vitro実験で、上記アンドロゲン応答領域内にAndrogen responsive elements(ARE)の近傍に、Oct1応答配列が認められた。ルシフェラーゼアッセイをもちいた検討で、Oct1がアンドロゲン応答性に協調していることを明らかにした(学会発表1)。また、Oct1の発現を特異的に抑制するsiRNAを用いると、LNCaPの細胞増殖は有意に抑制された。このことからOct1は前立腺癌において、ARの活性を促進し、細胞増殖に影響する転写協調因子であることが示唆された。 3.最後にOct1の発現と、前立腺癌の進行度、悪性度との相関について臨床検体を用いて解析した。Oct1が前立腺癌の悪性度と、臨床病期に相関し、独立予後決定因子であることが明らかにされた(雑誌論文3参照)。今後、さらなるアンドロゲン応答機構を解明することで新たなる前立腺癌治療への応用が期待される。
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Research Products
(3 results)