2008 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌に対する制限増殖型アデノウイルスベクターを用いた新規治療法の開発
Project/Area Number |
20591871
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
寺尾 秀治 Hyogo College of Medicine, 医学部, 助教 (10457103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 章暢 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70283885)
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Keywords | 膀胱癌 / 遺伝子治療 / AdMKEla / 導入効率 / バルプロ酸Na |
Research Abstract |
本年度は、ヒト膀胱癌細胞株(KK47, 5637, T24)に対する腫瘍特異的MKプロモーターを組み込んだ制限増殖型アデノウイルスベクター(AdMKEla)の導入効率を検討するために、まず5型アデノウイルスの配列を有するプラスミドベクター(pXCl:Ela geneを含む)から492〜552bp領域を欠損させ(pXC1-491プラスミド)、このpXCl-491プラスミドにMKプロモーター(595bp)をライゲーションさせてpXC1-MKプラスミドを作製し、293細胞を用いてpXC1-MKプラスミドとE3領域を持つアデノウイルスDNAのpBHGE3との相同組み換えを行うことで、目的のウイルスベクター(AdMKEla)を作製した。さらに293細胞を用いて、作製されたAdMKElaを増殖させアデノウイルスベクターを精製し、TCID50法にて精製ウイルスタイターを測定した。また、PCRを行うことで、ワイルドタイプアデノウイルスの混入がないことを確認した。 次に、定量的リアルタイムQ-PCR法により各細胞株におけるCARmRNAの発現を検討し、各細胞株におけるアデノウイルスベクターの導入効率を検討するために、Ad5-CMV-βgalを感染させ、βgal染色法で導入効率を検討した。その結果、KK47,5637においては、それぞれ3.4×10^<10>btu/ml、2.2×10^9btu/mlと高い導入効率を認めた。一方、T24においては、1.0×10^7btu/mlと導入効率は低かった。 以上より、KK47、5637と比較してT24においては、AdMKElaによる抗腫瘍効果は期待できないことが予想されるため、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤であるバルプロ酸ナトリウム(Valproic Acid; VPA)を併用することで、アデノウイルスベクターの導入効率の向上および遺伝子治療効果の増強を検討する必要性があると考えられた。
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[Presentation] ヒト膀胱癌細胞に対するミドカインプロモーターを組み込んだ増殖制限型アデノウイルスベクター(ADMKE1a)の有用性の検討2008
Author(s)
寺尾秀治,白川利朗,Acharya, B.,鈴木透,乃美昌司,濱田雄行,田川雅敏,田中一志,武中篤,藤澤正人,後藤章暢
Organizer
第46回日本癌治療学会総会
Place of Presentation
名古屋
Year and Date
2008-10-29
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