2010 Fiscal Year Annual Research Report
先天性腎尿路異常発生の新たなメカニズム;分化制御因子Id2欠損マウスの解析
Project/Area Number |
20591874
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
青木 芳隆 福井大学, 医学部, 助教 (30273006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 修 福井大学, 医学部, 教授 (90242552)
伊藤 秀明 福井大学, 医学部, 助教 (00345620)
横田 義史 福井大学, 医学部, 教授 (50222386)
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Keywords | 先天性尿路奇形 / 転写制御 / アンギオテンシン受容体 / 水腎症 / 動物モデル |
Research Abstract |
これまでの研究成果からId2がAT1受容体の機能調節に関わっていると考えられる。野生型マウスとId2欠損マウスそれぞれの腎、腎盂尿管におけるAT1受容体の発現パターンをみた。mRNAおよび蛋白レベルでの発現量を比較しているが、水腎症発現したUPJにおいてはAT1の発現が増加していた。免疫組織染色によるAT1受容体発現および発現部位ついては抗体の問題があり、その同定には至っていない。平滑筋マーカーのSmooth muscle actin(SMA)の発現については、大きな差は認めなかった。このことから、AT1はId2欠損マウスの水腎症発症に関与する可能性が示唆される。しかし、AT1欠損マウスに起こる水腎症の報告と異なる所見もあり、この点は今後のさらなる検討を要する。 片側尿管結紮モデルを用いた腎盂尿管移行部におけるId2発現について解析すると、Id2はsham群に比べ、発現量は結紮後3日目に増加した。また、水腎症の程度を示す指標となる、腎皮質/腎盂比は14日目まで増加したが、Id2欠損マウスの先天性水腎症に比べて低い。このことより、Id2の欠損が腎の線維化抑制に関与している可能性が示唆された。 ヒト先天性水腎症症例におけるId2遺伝子の変異の有無について、SNPs(single nucleotide polymorphisms)について解析した。まず約4.0kbにわたるId2遺伝子座をPCRで増幅し、これを鋳型としてPCRによるダイレクトシークエンスを行い、GenBankに登録されているヒトId2遺伝子座の塩基配列と比較した。ヒトId2遣伝子座においてSNPsがプロモーター領域と第一エクソン、イントロンにあることがデータベースに登録されているが、塩基配列を決定した7家系、28サンプルにおいて、いずれのSNPsも検出できなかった。
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Research Products
(1 results)