2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591875
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
井川 靖彦 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (40159588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相澤 直樹 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80595257)
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Keywords | 膀胱蓄尿障害 / 求心性神経伝達 / 間質性膀胱炎 |
Research Abstract |
膀胱尿路上皮・求心性神経伝達系の電気生理学的解析 平成20年度に確立した膀胱内圧・膀胱求心性神経単一神経活動(SAA)同時測定ラットモデルを用いて以下の研究成果を得た.1)nitric oxide (NO)の基質であるL-arginineの静脈内投与はAδおよびC線維の両者の活動性を抑制した。NOS阻害薬のL-NAMEの膀胱内投与は両線維の神経活動性を促進したが、このL-NAMEによる活動性亢進は、L-arginineの静脈内前投与によって抑制された。さらに、L-arginineの静脈内前投与は、acrolein膀胱内投与によって促進される両線維の神経活動も抑制した。以上の結果は、L-arginine/NO系は、膀胱伸展刺激を受容する膀胱求心性神経を抑制し、さらに、acrolein誘発膀胱炎に伴う求心性神経活動の亢進も抑制する作用があることが判明した。2)卵巣摘出によるエストロゲン欠乏は、膀胱伸展刺激受容求心性神経のうち、C線維の活動性を低下させたが、Aδ線維の活動には影響を与えなかった。高齢ラットは血中エストロゲンレベルは低下していたが、頻尿と求心性神経活動の亢進を認めた。したがって、エストロゲン欠乏は、高齢ラットに認められる頻尿と求心性活動の亢進の主な原因とは考えにくいことが示唆された。 間質性膀胱炎のバイオマーカー探索 潰瘍型と非潰瘍型の間質性膀胱炎患者の膀胱尿路上皮中および尿中のCXCL10濃度を、それぞれ、免疫組織学的手法とELISA法にて検討したところ、潰瘍型間質性膀胱炎の患者では、膀胱尿路上皮内および尿中の両者で、非潰瘍型間質性膀胱炎患者と比べて有意に増加していた。尿中CXCL10は、潰瘍型間質性膀胱炎のバイオマーカー候補として有望と思われた。 当初、計画していた膀胱内注入療法の臨床的検討および膀胱尿路上皮下C線維の知覚閾値の測定は対象症例がなく施行できなかった。
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Research Products
(28 results)