2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591880
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
齊藤 源顕 鳥取大学, 医学部, 准教授 (60273893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 ゆか子 鳥取大学, 医学部, 助教 (50032214)
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Keywords | 虚血 / SHR / 過活動膀胱 / 排尿筋過活動 / 膀胱血流 / NGF |
Research Abstract |
骨盤内血流の低下は過活動膀胱の原因の1つと考えられている。SHRラットは高血圧関連の過活動モデルとして知られている。そこで、骨盤内血流を増加させ、かつ血圧への影響は少ない3剤(α1Aブロッカーであるシロドシン、Rhoキナーゼ阻害薬である塩酸ファスジル、およびATP依存性Kチャンネル開口薬であるニコランジル)をSHRラットに投与し、膀胱血流の変化と排尿筋過活動の改善について検討した。12週齢のSHRラットに、シロドシン100μg/kg(p.o.)、塩酸ファスジル1mg/kg(i.P.)、ニコランジル10mg/kg(i.p.)を連日6週間投与した。コントロールとしてWistarラットと無治療のSHRラット用いた(各群n=8)。6週間後、代謝ケージにて1日排尿量、1日排尿回数および1回排尿量を測定し、tail cuff法にて収縮期/拡張期血圧と脈拍を測定した。ウレタン麻酔下(1.0g/kg,i.p.)、膀胱内圧測定にて最大排尿圧(Pdet)、1回排尿量および残尿量を測定し、水素クリアランス法にて膀胱血流量を測定した。さらに、排尿筋過活動のバイオマーカーである膀胱組織中NGFを測定した。SRRラットはWistarラットと比較し血圧、排尿回数、組織内NGF濃度は有意に高値を示し、1回排尿量および膀胱血流量は有意に減少していたが、Pdetと残尿量は変化がなかった。シロドシン、塩酸ファスジル、ニコランジルによる治療介入により、SHRラットは無治療群と比べ、血圧、Pdetおよび残尿量を変化させることなく、有意な膀胱血流量と1回排尿量の増加および、1日排尿回数および組織内NGF濃度の低下を認めた。本結果からシロドシン、塩酸ファスジル、ニコランジルの慢性投与は血圧関連排尿筋過活動を改善することが示された。この作用機序は、排尿筋に直接作用せずに膀胱血流を増加し、その結果排尿筋活動を抑えると考えられた。
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Research Products
(1 results)