2008 Fiscal Year Annual Research Report
勃起(海綿体)神経の再生医療-神経栄養因子による遺伝子治療と神経再生の機序の研究
Project/Area Number |
20591883
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
加藤 隆一 Sapporo Medical University, 医学部, 講師 (10315509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久末 伸一 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90404673)
小林 皇 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (30404669)
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Keywords | 勃起障害 / 神経栄養因子 / neurturin / 神経再生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ウイルスベクターを用いて、神経栄養因子neurturinを神経損傷後の海綿体神経に導入し、勃起能回復や海綿体神経再生促進を検討することである。 1、ウイルスベクターと、ラット神経損傷モデルの作成 本研究で使用した複製欠損型単純ヘルペスウイルス(HSV)ベクターは、以前発表された同様の実験系(Gene Ther,2007;14:1344)で使用したものと同様に作成されたものを使用した。ラットの両側海綿体神経を凍結損傷させ、神経損傷モデルとした。その後、HSVベクターを使用してneurturinを神経損傷部に導入(HSV-neurturin)し、後に治療効果を検討した。 2、勃起能の評価と神経損傷(再生)の評価 神経損傷後2,4週目に、勃起能の評価として海綿体内圧/血圧比(ICP/AP)を測定した。その結果、海綿体神経損傷後は術後2週から有意にICP/APが低下、4週目でさらに低下した。神経再生の評価目的に、逆行性トレーサーであるFluorogold(FG)を組織採取7日前に投与し、骨盤神経節での発現を検討した。その結果、骨盤神経節でのFG陽性細胞数は4週目まで経時的に減少した。 3、治療効果の検討 HSV-neurturin導入後には、コントロールベクター投与群やウイルス非投与群に比し、用量依存性に有意にICP/APの回復が見られ、骨盤神経節でFG陽性細胞数の増加が見られた。 現在までの結論として、神経栄養因子neurturinの導入は、海綿体神経損傷後の勃起能回復、神経再生促進に対して有用と考えられた。
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Research Products
(2 results)