2010 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療におけるNeuromodulationを応用した膀胱機能回復に関する研究
Project/Area Number |
20591890
|
Research Institution | Meiji College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
本城 久司 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 講師 (30351357)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 晃一 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 講師 (10326233)
北小路 博司 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 教授 (70204881)
中尾 昌宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (00188880)
|
Keywords | 膀胱機能障害 / 脊髄損傷 / 再生医療 / Neuromodulation / 鍼刺激 |
Research Abstract |
排尿筋過活動を呈する膀胱に対する仙骨部鍼刺激の効果について検討するうえで、脊髄・脳よりの下降性抑制系を主とする作用機序について前年度まで解明していたが、近年、動脈硬化による排尿筋過活動のメカニズムが明らかにされている。循環障害がどの程度膀胱機能に影響を及ぼしているかについて、ヒト血清の一酸化窒素代謝産物(NOx)が切迫性尿失禁を伴わない過活動膀胱(OAB-Dry)を呈する女性において、有意に低下しており、切迫性尿失禁を伴う過活動膀胱(OAB-Wet)を呈する女性においては、有意に上昇していることを明らかにした。このことはつまり、過活動膀胱は循環機能障害とも関連性があり、その評価にバイオマーカーを利用した評価が可能である可能性を示唆するものである。これまでの研究によって、仙骨部鍼刺激は排尿に至らない膀胱収縮の頻度を減少させ、蓄尿期に抑制的に作用することが明らかとなったが、膀胱機能回復を来すためには尿水力学的な膀胱機能検査のみならず、尿や血液のバイオマーカーを利用した膀胱機能のアウトカムの確立が必要であり、その病態に対するアプローチと再生医療における神経再生の効果の両面から評価すべきである。この研究によって、再生医療においてNeuromodulationを適用する際、膀胱機能回復には神経系のみならず、循環系の動態についてもアプローチすることが必要であると理解され、今後の再生医療の実現時においても有用な情報を与える成果を得た。
|
Research Products
(3 results)